2102 世論受けのする“反日愛国策” 古沢襄

黒田勝弘ソウル支局長の記事を久しぶりに読んだ。杜父魚ブログで独島反日ムードに狂奔している韓国マスコミの記事を紹介してあるが、韓国軍が海軍の艦艇や空軍のF15戦闘機を動員して、独島防衛訓練を実施すると伝えてきた。
軍とマスコミが先頭に立って日韓戦争を煽るとは穏やかでない。弱い犬ほどよく吠えるが、韓国のマスコミも日韓戦争になれば、最後には韓国が敗北すると認めている。戦争放棄を宣言している日本が、日韓戦争を企てる筈がない。
それでも韓国では「韓日がもし戦わば」という日韓戦争ものが書店でベストセラーになっている。日本も昭和六、七年頃「日米がもし戦わば」という雑誌がバカ売れしていた。その頃、陸軍の参謀本部は対露作戦を練っていた。日米戦争を意識し始めたのは昭和十年代に入ってからである。
海軍には「日米が戦うべからず」という良識があった。陸軍は対露作戦が参謀本部の主流であった。昭和天皇や皇弟の秩父宮も日米戦争を回避すべく心を砕いていた。それがいつしか無謀な日米戦争に流されていった。
その論理は「ジリ貧になるよりドカ貧の危険を冒してでも起死回生を期す」であった。そんな博打が成功する筈がない。
韓国の中央日報は「初期は韓国が有利だが、イージス艦や空中警戒管制機などを持つ日本に押される」と分析している。日米戦争で「最初の一年は存分に暴れてみせる」といった海軍さんがいたことを思い出す。
黒田氏は「李明博大統領は政治的苦境にある。このため世論受けのする“反日愛国策”を取らざるをえない状況」と分析したが、火遊びが高じると李明博大統領も大火傷を負うのではないか。
<【ソウル=黒田勝弘】韓国軍は29日、日韓が領有権を争っている竹島(韓国名・独島)周辺で30日に「独島防衛訓練を実施する」と発表した。海軍の艦艇6隻やP3C哨戒機、対潜ヘリなどのほか空軍からもF15戦闘機が参加するという。
韓国軍が島周辺で軍事演習を事前に公表し「独島防衛」と銘打って公然と行うのは初めてで、竹島支配を内外に誇示しようとするものだ。
発表によると今回の演習は「仮想勢力が独島の領海を侵犯するというシナリオの下に、海・空軍と海洋警察(海上保安庁に相当)の合同作戦で仮想勢力の独島進入を遮断し退去させるもの」という。
一方、独島反日ムードを主導しているマスコミも「独島をめぐる日韓戦争」を仮想した記事を大きく掲載し、双方の軍事力を比較しながら勝敗分析に余念がない。
韓国では先年、100万部を超えるベストセラーになった「ムクゲの花が咲きました」など大衆小説には日本の「独島侵攻」を仮想した日韓戦争モノが多く、週刊誌などにも似たようなストーリーがしばしば登場している。
しかし今回は「独島で韓日全面戦が勃発(ぼっぱつ)すれば?」(26日付、朝鮮日報)や「今、独島で(日韓)空中戦が展開されれば」(29日付、中央日報)など大手の一流紙が堂々と報道しており、マスコミの高揚ぶりが目立つ。
ちなみにこれら仮想記事の勝敗予想は「海・空軍力に大きな格差。半日ももたず強奪される可能性」(朝鮮日報)とか「初期は韓国が有利だが、イージス艦や空中警戒管制機などを持つ日本に押される」(中央日報)などと不利を強調し、日本に対抗できる軍備強化を訴えている。
また韓国政府は29日、韓昇洙首相を、首相としては史上初めて竹島に上陸させるなど、マスコミ世論にあおられるかたちで“独島愛国”をエスカレートさせている。
李明博政権は大規模な反政府運動を誘発した米国産牛肉問題をきっかけに、支持率低迷や政権不信などで政治的苦境にある。このため世論受けのする“反日愛国策”を取らざるをえない状況にある。(産経新聞)>
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