2449 銀行倒産の噂に怯えるモスクワ市民 宮崎正弘

ロシアの公的資金注入って、クレムリン系財閥へのテコ入ればかり。プーチン利権帝国は「世界大不況」でもひとり太っているゾ。
あれよあれよ、と叫んでいる間にロシアの外貨準備高は6000億ドルから4840億ドルに急激に凹(へこ)ンだ。8月8日、グルジア侵攻の日、ロシア外貨準備高は絶頂を打った。4840億ドルは十月末の推計(インタナショナル・ヘラルド・トリビューン、11月1日付け)。
原油暴落とモスクワの株式市場崩壊(70%の暴落、15回の市場を閉めて、それでも暴落は収まらず)による。
ところが金融危機の救済措置は、クレムリン宮殿のインサイダーだけが公的資金注入の恩恵を受けている。初回の公的資金は500億ドル。
アルミニウム企業も保有するロシア最大財閥はオレグ・デリパスカだ。
ノリスク・ニッケル社の25%株主でもある。この企業へ欧米、とくにフランスのBNPパリバス銀行が45億ドルを投下したほか、ロシアの「VEB銀行」(VneshekonomBank)を経由して融資が受けられる。
デリパスカはプーチン首相と親しい。ロシア富豪第弐位のアブラモウィッツは、ロンドンへ亡命したが、かれはエリツィン派だった。
VEB銀行の頭取って、誰か知ってますか? プーチン首相その人です。
ロシア通信企業大手のVimpelCOM社へも、このVEB銀行を経由しドイツ銀行へ向かった(と考えられる)20億ドルの融資があった。ほかにも怪しげな資金注入がVEB銀行経由で、欧州へいったん出て(外貨準備からなので)、それがいつしか迂回してロシア企業へ環流というかたちで救済融資がさかんに行われ、その胴元のVEBへ500億ドルの公的資金が注入されたのである。
▲モスクワ市民は銀行倒産の噂に怯えている
一方、庶民生活はと言えば、銀行取り付け騒ぎ、モノ不足、市中には流動性が失われており、クレジットカードが使えなくなっている(もっともクレジットカードが使えないのはアメリカも同様で、買い物を済ませ、レジに並んでクレジットカードを提示すると、機械が「このカードは限度額を超えており、使えません」と告げられるのが日常風景となっている)。
つい夏までモスクワのぼろホテルが、しゃあしゃあと日本人観光客に一泊7万円です、と傲慢に要求していた。あの鼻息荒い観光業界に倒産が目立ち始め、パック旅行でロシアへはいった途端、受け入れ観光業者不在という事態もおきた。
 銀行のATMも上限が設けられ、支払い用のキャッシュ不足におちいった。
トラック、製鉄など操業短縮の企業が目立ち始め、政府発表のGDP成長率下方修正(ことし7・8%から7・3%へ)も誰も本当の数字とは信じていない様相だと言う。
銀行倒産の噂が広がっており、商店主などは有り金すべてを銀行から降ろしているとHIT紙(同日付け)が伝えている。
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