オバマ新政権のアジア戦略がまだ見えてこない。国務長官に指名されるヒラリー・クリントン上院議員は米上院外交委員会で「日米同盟はアジア政策の要石」と証言したが、伝統的に中国重視をとる米民主党のことである、額面通り受け取ることは出来ない。
この外交委員会でヒラリー・クリントン議員の外交姿勢を問われたほか、夫のクリントン前大統領が主宰する財団に対する外国政府からの巨額寄付が取り上げられたという。この外国政府とは中国のことであるのは明らか。
ヒラリー・クリントン議員は中国との関係には「世界の展望を変化させていく役割を担う、とても重要な国」とし「積極的で肯定的な関係を築きたい」と証言している。日米関係よりも、はっきりしている。
オバマ米大統領の就任演説は、中国の主要ニュースサイトで中国語に翻訳して速報されている。中国側もオバマ新政権のアジア戦略に注目している現れといえる。もっとも共産主義をファシズムと並べて批判的に述べた部分では「共産主義」を削除したという。
この部分は「先の世代がファシズムや共産主義と対決したのはミサイルや戦車の力だけではなく、確固たる同盟関係と信念であったことを思い起こしてほしい」というくだり。やはり共産主義を面と向かって批判されて困るのであろう。英字紙チャイナ・デーリーのサイトでは演説全文が英文で掲載され、削除はされていない。(共同)
中国青年報は「喜び心配ともに半々」と題する論説を掲載した。これは意外なことだが、ワシントンではブーイングを浴びせられて退場したブッシュ前大統領の評判は中国ではすこぶる良い。「米中関係はいま最良の状態にある。それはブッシュ政権が残した数少ない政治的遺産」という声すらある。大方の反対を押しきってブッシュ氏は北京五輪の開会式にも出席している。
これに対してオバマ政権が民主党左派の人権批判や対中貿易で国内産業寄りの姿勢を示せば、米中関係はささくれ立つ可能性がある。これが「喜び心配ともに半々」ということなのだろう。
さらには北朝鮮政策はどうなるのか。オバマ、ヒラリー外交のアジア戦略はしばらく様子をみるしかない。
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