またまた遅れをとる日本の通貨、金備蓄、金利政策。欧州、ゴールド買いは18倍、市場は反対に「円安」を予測し始めた。
実際の経済は学者やエコノミストの理論と乖離したところで動く。
理論的に言えば、日本円はもっと強くなる筈である。
理論的に言えば、金利はもっと急上昇しなければならない。
理論的に言えば、ドル、ユーロはまだまだ下落余地がある。
しかし現実には日本円は円安にぶれる要素が強まった。大局的にはドル安だが、目先は需給と金利の関係で一ドル=95円から105円のレンジで推移し、次に一ドル=120円まで戻ると見る専門家が多い。
これらの「円安」を予測する根拠は、
第一に日本の経常収支が赤字転落したこと。
第二に日本の金融機関がまた再編の波にさらされて、日興コーディアル証券の落ち着き先が大再編の予兆を秘めており、一方では野村證券の大赤字に象徴される。
第三は内需の伸びがまったく望めない
第四はIMFと世銀、OECDの日本経済成長予測がいずれもマイナス、日本政府さえ3%前後のマイナス。
第五は国内のエネルギーが萎え、マーケットにまだ元気印が戻らない。
第六は国際的に円需要が激減したことなどだ。(たとえば08年は一年間で20兆円弱の資本流出。外国の機関投資家らが大きく売り越した)。
しかし基本の問題はわが政府に基本の哲学をともなった対策がないこと。すべてが事態への対応策でしかないからである。
▲金価格は上昇局面の踊り場。産金国の通貨またも上昇気運
昨秋のレーマンブラザーズ倒産以後、世界大不況のあおりをうけて、ヨーロッパは金買いに走った。とくにドイツ、フランスが個人でも金コイン、金地金購入に走る現象が見られた。
アメリカ人も金地金買いに走って小口金地金の売り上げは四倍(需要78トン)、ヨーロッパ人は、実に18倍(174トン)。主力は100グラム金地金とか、一オンス金貨。カナダ王立造幣局は金貨鋳造容量を四倍にして対応している。
ヘッジファンドがこの動きを拱手傍観する筈がない。
「ポールソン&カンパニー」という新興ヘッジファンドは、金関連の社債、株式、関連商品への投機ポジションを高めつつ、「アンゴロ・ゴールド・アシェンタ社」の第二位の株主へ進出、カナダの「キンロス・ゴールド」社の第四位株主、世界第一位の「バリク・ゴールド社」の株買い占めも噂されている。
ゴールドスタンダード復帰のシナリオも笑い事だけでは済まされない事態が進んでいる。
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宮崎正弘
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