3513 金正雲訪中の朝日記事の第二弾 古沢襄

朝日新聞が金正雲訪中の第二弾を書いた。北京の峯村健司特派員の孤軍奮闘ぶりが目立つが、北京の北朝鮮大使館筋から「日本の報道はでっち上げられた事実に基づいた”根拠のない報道”」と捏造記事扱いをされて、黙っている手はない。
韓国の聯合ニュースは、この時期に北朝鮮の韓昇洙(ハン・スンス)首相、金英春(キム・ヨンチュン)人民武力部長が相次いで北京を極秘訪問したと伝えている。情報は北京の韓国大使館筋のものである。
中国が北朝鮮の暴走を押さえにかかっているのは間違いない。国連の非難決議を無視して北朝鮮が地下核実験やミサイル発射を続ければ、中国の威信が傷つくのは明らかである。
中国は北朝鮮に対して外交圧力をかける一方で、中朝国境に人民解放軍が移動しているという情報もある。
ただ、金正雲氏や北朝鮮要人を北京に呼びつけて圧力をかけたとなると、北朝鮮軍部の強硬派軍人が反発して暴走に拍車がかかる恐れがある。金正雲訪中の朝日記事は、中国当局にとって歓迎できない不測の情報だったのであろう。事の真偽は別として否定せざるを得ない。政府系の環球時報を使って否定するという異例の措置をとっている。
国際的な水面下の情報は、常に当該国の厳しい情報管理を受ける。とくに北朝鮮や中国のお国柄では、それが徹底している。北京にいる海外の特派員は有形、無形の圧力を受けている。場合によっては、国外追放の処分を受ける可能性がある。朝日新聞が金正雲訪中の記事に自信を持つなら、怖れずに第三弾の記事を書き続ける必要がある。
<【北京=峯村健司】北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の三男正雲(ジョンウン)氏は17日までに、訪中日程を終えて帰国した。胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席は正雲氏との会談で、強硬姿勢をとる北朝鮮に平和的な解決を強く求めたとみられる。正雲氏の後継内定を公表していない北朝鮮側の意向を受け、中国側は徹底した情報管理を貫いた。
改革開放の先進地、深セン(センは土へんに川)市のハイテク工場を訪れた際も「中央政府の関係者」とのみ紹介。随行の10人余りの男性も含め、身分や名前は告げられなかった。一行は工場内の施設や製品について簡単な説明を受け、次の地点へ。北朝鮮筋は「周囲には気づかれないようにすべて極秘で行われた」と明かす。
宿泊先も、一般客の宿泊が制限されている中国軍関連のホテル。車列を組まずに移動し、外国首脳の視察を必ず取材する国営新華社通信の記者も同行させない徹底ぶりだった。父親の金総書記が06年1月、深セン市や広州市を訪れた際に白バイに先導された約50台の車列で移動、完全封鎖された高級ホテルに宿泊したのとは大違いだ。
中国外務省の秦剛・副報道局長は16日の会見で、正雲氏の訪中について記者から問われたが、「我々はそのような状況は承知していない」と回答を避けている。
中国側が公表を避けた理由は、ちょうど国連安全保障理事会で北朝鮮の2度目の核実験に対する新たな制裁決議が議論されていたからだ。国際社会の批判が強まる中、「北朝鮮に対して弱腰だと思われるのは不都合」(北京の中朝関係筋)と判断したとみられる。
それでも中国側があえてこの時期に訪中を受け入れたのは、「政治と外交のルートが朝鮮半島の問題を解決する唯一の正しい手段」(秦・副報道局長)という原則を重視しているからだ。核実験後、中国側は訪朝団派遣を見送るなど、強い不快感を示してきた。北朝鮮も制裁決議を受けて、ウランの濃縮作業着手を表明するなど反発を強めており、中国との関係は悪化していた。「両国のハイレベル会談による打開が必要だった」(中朝関係筋)という。
胡主席らは会談の中で、北朝鮮が参加を拒否する6者協議に替わる新たな枠組みやエネルギー支援についても提案したとみられる。「膠着(こうちゃく)した状況を打開する可能性がある」(北京の外交筋)との見方も出ており、北朝鮮の今後の対応が注目される。(朝日)>
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