華(はな)も(西側の批判の)嵐も踏み越えて行くが共産党のいき(のこる)道。G8で、胡不在の穴を埋めた国務委員、突如「ドル基軸体制」を攻撃した。
「ウィグルの母」=ラビア・カディール女史は記者会見で写真を見せながら言った。「偽物、合成です」。
あの南京大虐殺とかの、合成写真、偽物写真のオンパレードを思いだした。新華社を通じてプレスに配給されたウィグル暴動の写真、多くは偽物、場所も時間も異なる明確な証拠を示してカディール女史が記者会見に臨んだ。
http://www.chinadaily.com.cn/
(↑ このサイトの写真<1>を参照)
逆に漢族の優位を証明する写真もある。手に手に混棒、ぬんちゃく、スコップを凶器替わりにもった漢族の自警団(?)、みんな体格が言い。つまり軍の「便衣隊」である。
漢族の軍は漢族を守り、かれらがウィグル族を殺傷する現場を傍観していた、という。孫子の兵法は言う。「やられる前にやれ」。
そして場所はイタリア。西側先進国からウィグル弾圧、人権蹂躙を非難される前に中国は反撃攻勢を仕掛けた。
G8の晴れ舞台で胡錦涛不在の代理演説をした国務委員は「ドル通貨基軸は不公平、ドル支配体制は代替通貨が必要だ」と、あたかも中国非難をすりかえるごとき先制攻撃にでた。
中国代表の演説は、オバマ大統領の目の前、ブラウン英首相もいた。
しかしブラウンは言った。「おっと、聞いていなかった。しかし大事なことは世界経済が回復軌道に乗りかけているときに重大な変化をもたらすような発言(は慎しむべきだ)」(フィナンシャルタイムズ、7月9日)。
新彊ウィグル自治区の騒擾をおさめるために胡錦涛が言ったのは「一刻も早い治安回復」。公安担当の孟建柱が続けた。「責任者を(死刑を含む)厳罰に処す」。
世界ウィグル会議は、拘束された1400名余りの殆どがウィグル人であり、漢族が武闘による殺害をしたが、その犯人は捕まえていない、と記者会見している。
▲新彊ウィグルのレアメタル埋蔵を確保したあとはアフガニスタンへ照準
そして、この緊急事態をもろともせずに、中国国有企業がアフガニスタンで銅山開発の大工事を始めた。
CMGC(中国冶金集団)と江西銅業は、アフガニスタンの歴史始まって以来の数十億ドルもの資本を投下し、カブール近郊のアイナク銅山開発を正式に開始した(チャイナディリー、7月10日)。
同銅山は1974年に発見され、ソ連の技術者が試掘を繰り返した場所。埋蔵推定1300万トン。
中国はアイナク銅山に28億ドル強を投下し、ほかに毎年4億ドルをアフガニスタン政府に操業費用として支払い、かわりに年産20万トンの銅を産出する。同銅山はほかに数億トンの鉄鉱石埋蔵があると見積もられている。
かくて♪「花も嵐も踏み越えて行くが男の生きる道」の替え歌。♪「華(はな)も(西側の批判の)嵐も踏み越えて行くが共産党のいき(のこる)道」
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(読者の声1)前号貴見に「人権の花形=ペロシ下院議長以下、アメリカのリベラル諸氏! この沈黙はいったいどうしたことなのでしょう?」とあります。
アメリカのリベラルは、少し中国民族の性質が分かってきたようです。しかし、ナチスによって、少数民族(MINORITY)が抹殺されることと戦ったアメリカ精神は現在のアメリカ国民にはないです。
リベラルも人権よりも国益。つまり自分が大事なのです。
オバマも口先だけの人間です。日本人は、みずからの運命を、ペロシ、リード、オバマなどの偽善者に任せてはいけない。
今日のウイグルの悲劇は明日の日本でしょう。この警告が理解出来る日本人は少ないと思う。胡錦涛がごまかそうとしていますね。汚職のドンを更迭しても、遺族に補償金を払っても、中国帝国のウイグル人絶滅計画には変わりはない。(伊勢ルイジアナ)
(宮崎正弘のコメント)胡帰国後、全員ががん首揃えての政治局会議で、一刻も早い治安回復が決まりました。ほかのことは決まらず。
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(読者の声2)貴誌2651号で先生が紹介した「イスラエル海軍のドルフィン級潜水艦が、スエズ運河を通過中。」というエルサレム・ポスト(7月2日)の記事ですが、下記3日付のものでしょうか?
http://www.jpost.com/servlet/Satellite?cid=1246443708481&pagename=JPost%2FJPArticle%2FShowFull
同記事を引用したと思われるロイター記事に「エルサレム・ポスト3日付から引用」とあります。
http://www.reuters.com/article/newsOne/idUSTRE5621XZ20090703
それで2651号では、「西側軍事観測筋は緊張とともに、このイスラエルの軍事行動を見守っている。」との事でした。確かに折が折りだけに「怪しい」と感じるのは当然です。だが、これは先月紅海で行われたイスラエル海軍の演習に参加したもので5日付の同紙記事では再びスエズ運河経由でイスラエルに戻ったとあります。
http://www.jpost.com/servlet/Satellite?pagename=JPost/JPArticle/ShowFull&cid=1246443726415
さらに7日のイスラエル国営テレビのメインニュース番組で軍事問題担当記者が、1.この潜水艦ラビヤタン(鯨)号は海軍演習に参加。2.その目的はソマリアの海賊対策とイランからガザへの武器密輸阻止。3.演習終了後に同海軍ミサイル搭載船(駆逐艦?)のアッヒー(海軍艦)・ハニート(槍)号に護衛されてスエズ運河経由で母港ハイファに戻ったと報道。
このハニート号は第2次レバノン戦争時にレバノン沖航行中ヒズボラが中国製対艦ミサイルを保有しているのを予想せず防御システムをオフにしていた為にミサイルを打ち込まれて4人の搭乗員を失ったという「いわくつき」です。
http://www.youtube.com/watch?v=ON5wibaQ7Go
それで、2651号では「イスラエルの潜水艦がスエズ運河を通過するのは、エジプトとサウジを通過すると同義語であり、極めて難しい、というより面妖。」との事ですが、先程のロイター記事にはエジプト政府関係者の話として、「イスラエルとエジプトは戦争中では無いので、同国軍艦がスエズ運河を通過するのは問題にならない」としている。勿論エジプト側は「ドルフィン級潜水艦は核兵器搭載ミサイルの発射が可能」と熟知している。
不思議なのは、では何故今までこの種の潜水艦はスエズ運河を経由せずにわざわざ数週間かけてアフリカを回っていたのか?どうもそれはエジプト側の問題ではなくて、寧ろイスラエル側が軍事機密を守ろうとしていた事に起因するようです。
一方で何と言っても巡航ミサイル潜水艦はスエズ運河「初めて」の通過の上にミサイル搭載船も「初めて」の通過。このタイミングは偶然か?
これに関してはイスラエルのイェディオノット・アハロノット紙が「イスラエルとエジプト両国からの」イランへのメッセージだと分析。要はこういう事(エジプトの協力による時間短縮)も出来るという警告でしょう。
イスラエルとエジプトの「同盟関係」は極めて良好なようで、最近シモン・ペレスがエジプトを訪問した折にムバラク大統領を最大限に持ち上げた。
両者とも八十を超える高齢でありながら国際政治の第一線に立つ。ペレスとムバラクは個人的な関係も良好。
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-3742952,00.html
ただ問題が一つあるのは「気の若い」ペレスと違い、孫息子を無くしたばかりのムバラクは相当精神的に参っていること、イスラエル側もムバラクは今任期いっぱいは務まらないだろうと見ている。(DoraQ)
(宮崎正弘のコメント)色々と内部情報有り難う御座います。参考になります。
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3624 イスラエルとエジプトの対イラン・メッセージ? 宮崎正弘
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