岩手県西和賀町の菩提寺・全英和尚から電話があった。奥羽山脈の懐に抱かれた西和賀町だから三陸沿岸のような悲劇的な津波被害はなかったが、相次ぐ余震で地域住民は不安におののいているという。夜はマイカーで暖をとりながら仮眠していると豪快に笑っていた。
そのガソリンも残り少なくなった。岩手県警の発表では15日現在、県内の死者は1193人と千人を超えた。行方不明者は3318人に上る。壊滅状態となった市町村は行政機能が低下して被害の把握が出来ないでいる。
16日からは真冬並みの寒気に見舞われ、雪が降りだしたので、陸上自衛隊第9師団による人命救出作業も難航している。大槌町、釜石市、宮古市、山田町では林野火災が発生して、自衛隊の大型ヘリ3機による懸命の消火作業をしている。
県内17市町村で11万5千戸が断水。停電は9万1107戸。盛岡市ではガソリンが枯渇して、約10万6600世帯の家庭ごみ収集を中止した。各家庭でごみを保管するよう市当局が呼び掛けている。避難所では燃料不足に見舞われて、被災地の高齢者たちには、命に関わる低体温症に警戒が必要だという。
それにしても全国から届いている救援物資が、道路損壊やガソリン不足で被災地に渡っていない現状は深刻である。辛抱強い東北人にだって我慢には限界がある。
「テレビや新聞は福島原発の爆発事故ばかりやっているが、地震と津波に襲われた東北のことは、あまり報じてくれない。地獄だな」と和尚は嘆く。
杜父魚文庫
7440 夜はマイカーで仮眠と菩提寺の和尚 古沢襄
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