自民党の石破幹事長の選挙は、政治の師と仰ぐ“角栄流”のどぶ板選挙スタイル。小泉元首相の”劇場型スタイル”とは違う。伝統的な古典的手法だが、やはり地方の選挙では威力を発揮する。
衆院鹿児島3区補選で応援に入った石破幹事長は16日、午後8時まで計9カ所の街頭・個人演説会に参加。移動中は車後部のデッキで候補者名をひたすら連呼したという。
陣頭指揮の石破幹事長には地方県連の党員から絶大な人気がある。総選挙で自民党が大勝すれば、党内の”石破信者”が増えそう。民主党にとってはもっとも警戒すべき相手である。
<自民党の石破茂幹事長が「選挙の顔」として動き出した。16日告示された衆院鹿児島3区の補欠選挙で、さっそく現地入りし、自らマイクを握ってフル稼働。今回勝利すれば、野党転落後、補選3戦全勝となるだけに、その勢いをかって衆院選になだれ込みたいところだ。しかし、自民党の強さが、“選挙恐怖症”の民主党をますます解散から遠ざける事態も想定され、今後、石破氏の交渉力も問われることになる。
「皆さまお騒がせしてすいません。衆院議員候補の宮路和明でございます」
自民党の選挙カーから流れる連呼。宮路氏でなく石破氏の声だ。
石破氏は16日午前8時半、鹿児島県日置市での出陣式に駆けつけ、「民主党に最後のとどめを刺す大きな力を与えてほしい」と何度も頭を下げた。その後も午後8時まで計9カ所の街頭・個人演説会に参加。移動中は車後部のデッキで候補者名をひたすら連呼した。声がかすれないよう東京からのど飴(あめ)を持参するほどの念の入れようだ。
今回の補選は、9月の民主、自民両党の新体制発足後、初の国政選挙だ。自民党が勝てば、平成22年の北海道5区、23年の愛知6区に続き3連勝となり、衆院選へ気勢があがることは間違いない。
しかし、石破氏が意気込んでいる理由は他にもある。補選をテストケースに、政治の師と仰ぐ“角栄流”のどぶ板選挙スタイルを党内に再び徹底させ、風頼み、党首力頼みの選挙を改める-という狙いだ。
告示前夜、鹿児島市内で開かれた地元県議らとの懇談会。石破氏は「握手した数だけしか票は出ない」「ただ勝つだけでなく圧勝を」と“熱血指導”した。選挙区を歩き、有権者に直接、政治理念や政策を語ってこそ、支援を広げることができるという指南だ。
その一方で、幹事長に就任した直後に全300小選挙区の情勢報告を指示。「なぜこの選挙環境で民主党候補に差をつけられないのか、首をかしげる候補がいる」と周辺に漏らしており、明らかに劣勢な候補や努力不足な候補には党からの資金や応援の人員の配分にはっきり差をつけるなど「アメとムチ」を際立たせることも検討している。
ただ、石破氏の狙い通りに補選で圧勝すれば、次期衆院選での大敗を恐れる民主党執行部が、衆院解散の時期をさらに遅らせようと画策しかねない。
こうなると野党第一党の幹事長に求められるのは、民主党執行部に解散を迫る交渉能力だ。
「根回し、調整は不得意」(閣僚経験者)とされる石破氏。16日には遊説の合間を縫って、民主党の輿石東幹事長と電話し、3党党首会談に向けた下交渉も行った。とはいえ、成果が得られるかどうかは“神のみぞ知る”。民主党の安住淳幹事長代行は16日、記者団に余裕の表情をみせた。
「(野党が)いろいろ解釈するのは結構だが、最終的に解散時期を決めるのは首相だ」(産経)
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10752 「選挙の顔」石破幹事長動く 勝てば補選3連勝 古沢襄
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