中国の中央銀行を十年つかさどった周小川は引退へ。いまやFRB,欧州中銀、バンデスバンク、英国中銀についで、日銀の動向より世界の市場が視線をそそぐのは中国人民銀行の動きだ。
中国版FRBの動向、政策とその総裁の発言に世界のマスコミも注目してきた。
第一に世界最大の外貨準備を、かれらは何に投資するか。
第二に通貨供給量と金利の相関関係、その政策で次の中国経済を予測できる。
第三に、当該の金融財政金利為替を決めるトップの人間達の個性にも強い関心が寄せられた。日銀の総裁なんぞ、世界の市場関係者は興味もないようだ。
郭樹清が新総裁になる観測が強くなった。
郭樹清は現在、中国建設銀行の頭取(董事長という)。同銀は21000余の支店網、ATM設備一万個所、行員はおよそ41万人とされる。
郭樹清董事長はほかのライバル行が積極的なM&Aによって海外へ進出を図っていることには慎重で、「海外進出の意欲はある。ただし、欧米での企業買収にはあまり興味を持っていない。成熟した市場は成長の潜在力に乏しいからだ」と、その慎重な姿勢を述べたことがある。
慎重居士が評価されたらしい。郭董事長は過去5年間にわたったバンク・オブ・アメリカとの提携を評価しつつ、「これからは米銀との提携は緩くなる」と発言し、派手は国際提携からの距離を置くとした。
郭樹清は1956年8月生まれ。出身地は内モンゴル自治区である。78年に天津の南開大学哲学科で学び、80年代に英国へ留学し、オックスフォード大学で金融学を修めた。98年に貴州省副省長に就任。2001年4月に「中国人民銀行」の副総裁に昇格し、国家外貨管理局局長を歴任後、05年3月から中国建設銀行頭取をつとめてきたベテランである。
楼維偉は財政部長(大蔵大臣)就任の可能性が高まった。
楼継偉は いま、CIC(中国の国富ファンド)のボスである。この国富ファンドは設立時に外貨準備高から2000億ドルもの巨費をまわされ、世界一にいきなり登場した。
2010年末の推定資産は4200億ドル(ウォールストリート、12年3月6日)。いまやCICは傍系ファンドを含めると1兆ドルの外貨を運用する世界最大の国富ファンドといわれる。
楼継偉は清華大学卒業、財務部から国務院副秘書長を経てCIC会長に抜擢されたが、庇護者は朱容基元首相だった。金融財政に滅法明るいとされるテクノクラートである。
ともかく中国は「堅実な実務家」を金融の中枢に据えるようだ。
杜父魚文庫
11058 郭樹清が次期「中国人民銀行」総裁に就任か 宮崎正弘
宮崎正弘
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