日本の海上自衛隊の実力を一番知らないのは日本人ではないか。その半面、中国海軍については中国脅威論と重ねて誇大に考える癖がある。
中国海軍は沿岸海軍から外洋海軍を目指して強化されてはいるが、近代化されている海上自衛隊に比較すれば、保有艦船数、航海時間や訓練の練度でまだ差がある。
ほんの10年くらい前までは、中国海軍は外洋に出ると船酔いする水兵が続出して、海上自衛隊では見下す風潮があった。それが、ようやく縦列で艦隊を組むところまできた。
米国海軍に次ぐ実力を有している海上自衛隊は、いぜんとしてアジアで最強の海軍なのである。米第七艦隊の幹部は中国海軍を評して大部分が時代遅れの旧式海軍と歯牙にもかけていない。
少し古い資料だが中国海軍の兵力約26万人、うち海軍航空部隊約35,000人、沿岸警備隊約26,000人、陸戦隊(海兵隊)約1万人を有する。近代化を進めてはいるが、旧式装備の数の方が多い。
駆逐艦26隻、フリゲート49隻、弾道ミサイル搭載原子力潜水艦3隻(夏型を1隻と晋型を2隻)、攻撃型原子力潜水艦の漢型を3隻(稼働1隻のみ。商級を2隻、通常動力型潜水艦56隻(うち26隻は旧式化し退役の近いロメオ級、明型)。また、海軍航空隊は、7個海航師(海軍航空師団)、7個独立飛行団から成り、各種軍用機620機を保有している。
主要艦隊は①北海艦隊②東海艦隊③南海艦隊の3つ。青島基地に司令部を置く北海艦隊は黄海、渤海湾方面を担当して、 旅順基地、烟台基地、威海基地がある。
寧波基地に司令部を置く東海艦隊は東シナ海方面を担当して上海基地、舟山基地、福州基地がある。さらに湛江基地に司令部がある南海艦隊は南シナ海方面を担当して広州基地、海南省楡林基地がある。
これに対抗する海上自衛隊は六隻のイージス艦、潜水艦を22隻態勢をとっている。「動的防衛力」の指針に基づいて南西諸島の防衛拠点を7ポイントに増やした。
中国海軍と海上自衛隊の決定的な差は、潜水艦能力にある。中国海軍ははソ連から4隻の629型潜水艦(ゴルフ級)の供与を受け、さらにその設計図を提供され、改造を加えた上で1966年に1隻就役させている。
だがソ連から供与された1隻は沈没事故を起こし、残る3隻の去就は不明。これがソ連から中国に対して提供された最後の潜水艦技術であるといわれている。
また中国の原子力潜水艦の開発は1950年代後期より開始され、1974年から091型原子力潜水艦が建造されている。しかし隠密行動を必要とする潜水艦にとって騒音が激しい点で問題があった。
その後、静粛性の改良が進んだといわれているが、米海軍や海上自衛隊の潜水艦技術には追いつけないでいるのが現状であろう。日本近海に出没する中国の潜水艦の動向はほとんどが掌握されている。
日本は原子力潜水艦こそ持っていないが、高性能の潜水艦を所有し、米第七艦隊の潜水艦群と連携しているので、中国海軍にとって脅威であり続けるであろう。
有事には潜水艦の強敵となるイージス艦を海上自衛隊は6隻保有している。日米軍事同盟が機能するかぎりアジアにおける海上自衛隊の優位性は変わらないと自信を持つべきではないか。
杜父魚文庫
11941 対潜哨戒能力で中国海軍を圧倒する海上自衛隊 古澤襄
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