13309 参院選 集票マシンの稼働状況は?   古澤襄

与党優勢が伝えられる21日投開票の参院選では、自民、民主両党の支持団体の明暗もくっきりと分かれている。安倍政権の経済政策「アベノミクス」が「機動的な財政出動」を掲げたことを追い風に、建設団体が自民党支援の運動を強力に展開中なのに対し、政権党時代に迷走を続けた民主党と連座したくない一部の労働組合は露骨な「民主隠し」に出ている。“集票マシン”は何を目指すのか。(内藤慎二、比護義則)
◇建設業界フル回転
 ◆公共事業費復活に期待
「切られすぎた公共事業費を戻せ-。安倍晋三内閣は、実態としてこういうことをやっています」12日午後、群馬県前橋市の群馬建設会館。全国建設業協会が推薦する元国土交通事務次官の自民党比例代表候補がこう訴えると、500人以上の建設関係者から、万雷の拍手が起こった。
民主党政権が「コンクリートから人へ」と高らかに掲げ、公共事業が無駄遣いの象徴とされたことで、建設業界は肩身の狭い立場に追いやられてきた。
特に群馬県では、八ツ場(やんば)ダムの建設中止宣言で「建設業者は人にあらずとの思いを抱かされた」(自民党県議)。それだけに、防災事業やインフラ整備を推進する「国土強靱(きょうじん)化」を掲げる自民党への期待は高い。
群馬県建設業協会の青柳剛会長はいう。
「必要な公共事業はやるという政府方針を後押しするためにも候補に貢献したい。V字回復までは求めないが、事業量は今より増やさなければならない」
民主党政権が進めた公共事業費カットや長期的な建設業従事者の減少で組織の基礎体力は低下したが、勢力回復に向けたチャンスだけに表情は明るい。
◇全特いまだ修復中
 ◆わだかまり 自民と深く
全国の郵便局長でつくる全国郵便局長会(全特)は今年3月、平成17年の郵政解散以来、8年ぶりに自民党と関係を修復した。今回は同党の比例代表候補を出して、選挙戦に臨んでいる。
「政権与党(自民党)とともに、郵政事業をしっかり守っていく選択をしたことは間違いではない」。全特が推す前会長の候補は11日、仙台市で300人以上の郵便局長らに訴えた。
かつて100万票もの圧倒的な集票力で存在感を示した全特は、小泉政権の郵政民営化に反発して自民党とたもとを分かった。国民新党で臨んだ3年前の参院選では、現職に約40万票を集めながら落選の憂き目を見た。
自民回帰を決意した理由の一つには、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への交渉参加もある。
郵便局の収益改善のため全特は日本郵政グループの新規業務参入を求めているが、米政府は政府出資の残る同グループの事業拡大に懸念を示している。全特側には政府・与党の中に身を置くことで交渉内容をいち早く入手し、要望を反映させたい思惑がある。
もっとも、自民党執行部の「出戻り組」への視線は厳しく、「参院選での貢献度を厳しく査定する」(幹部)というスタンスだ。全特の選対幹部はつぶやく。
「自民とは絶縁状態に陥るほど対立した。わだかまりの解消は難しい…」
◇労組エンスト気味
 ◆「民主隠し」露骨展開も
民主党の最大の支持団体、連合傘下の各産業別労組(産別)は9人の比例代表候補を擁立した。民主党政権下での前回参院選では11人中10人が当選したが、今回は逆風下のため「20万票の安全当選ライン」(産別幹部)に届くのは半分程度とみられている。
その一つ、電力会社労組による電力総連が取っている戦略は、「民主隠し」だ。
「将来にわたる安定的なエネルギー政策の確立をめざします!」
電力総連の比例代表候補はホームページでこう公約している。民主党が掲げる「2030年代に原発稼働ゼロ」との公約どころか、「民主党」という文字も、比例代表総支部の名前として小さく書かれているだけ。電力総連は民主党の脱原発路線に不満を強め、党名を外したビラも作成して「脱民主」を徹底している。
従来、連合の選挙支援活動の核となってきた自治労や日教組も、厳しい戦いを強いられている。安倍政権が地方交付税を減額したために、7月から地方公務員給与7.8%の引き下げが全国各地で始まるからだ。
このため、選挙戦に向けた組合員の動きが鈍く、日教組も、6年前の参院選で50万票の集票力を見せた自治労も20万票の当落選上で足踏みしている。選挙結果によっては、官公労の「選挙力」を背景とする、輿石東(こしいしあずま)参院議員会長の党内での影響力も打撃を受けそうだ。(産経)>
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