日本経済新聞の過去わずか三週間の中国報道の見出しだけをざっと並べてみる。日経は、某新聞のように洗脳目的の見出しや、主観的用語を極力排除し、つとめて客観的報道をすることで知られる。
たとえば「深厚な経営危機」と記者が書くと、編集局長が「『経営危機』は『深刻』に決まっているのだから『深刻な』は不要である」という教育をする(拙著『ザ日経』、参照)。
その日経が中国経済の苦境を端的に、しかし淡々と次のように報じたことは将来の経済史家にとって大いに参考となるだろう。
「中国、資源爆食のツケ、国有企業泥沼」(6月18日)
「中国、影の銀行蔓延、連鎖破綻の懸念」(6月19日)
「製造業景況が悪化」(6月20日)
「金利急上昇を容認、影の銀行対策」(6月21日)
「中国金融市場動揺続く 信用保証料率高水準」(6月22日)
「震える中国市場、銀行の資金繰りに懸念」(6月25日)
「中国リスク、世界が警戒。株安、アジアに波及」(6月26日)
「投資偏重を修正、景気減速受け入れ」(6月27日)
「景気刺激に消極的――利下げなし半数超」(6月29日)
「影の銀行、残高130兆円」(6月30日)
「中国当局、規制強化急ぐ」(同)
「中国の輸出拠点苦境 水増し監査で不信表面化」(7月4日)
「金融リスク防止に重点」(7月6日)
「中国景気、軟着陸へ関門、輸出落ち込み鮮明」(7月11日)
「影の銀行改革、米が要求」(同)
「不動産販売減少、銀行融資絞り込み」(7月12日)
「中国の海外M&A急減、金融混乱が影響」(同)
「中国資金供給、伸び鈍化鮮明」(7月13日)
「人民元、一段と柔軟に。米中手探りの協調」(同)
「住民デモで異例の撤回、環境汚染に不満噴出」(7月14日)
こうして並べてみると、だんだんと中国経済の深刻な景況が鮮明に浮かぶのではないか。
杜父魚文庫
13323 中国経済の苦境を報じる日経見出し 宮崎正弘
宮崎正弘
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