15648 安倍政権は対ロ交渉のテンポは緩める   古澤襄

ウクライナ問題は日ロ交渉にリンクすると言ったら、若い政治記者たちは首を傾げる。日ロはウクライナとは無関係だというのが大方の見方だ。
大切なことを忘れている。それは米国の存在だ。
何故なのか?日ソ交渉に本格的な乗り出したのは、鳩山一郎元首相と河野一郎元農相だったのだが、吉田茂元首相ら親米グループは猛反対した。その裏には米ソ対立という背景があって、アメリカ筋からは”河野アカ説”が強力に流された事実がある。
同盟国というよりは、占領政治の延長で日本を属国視していた米国にとって鳩山・河野の動きは、看過できない”一人立ち”と危険視していた。鳩山は吉田政治からの脱却を目指し、ソ連との平和条約を締結して国連加入を目指す大目標があった。実際に鳩山を動かしたのは河野一郎の存在であった。
日本の保守政界において鳩山・河野の流れは今日まで続いている。それは親ソでもなければ親ロでもない。ロシアというカードを使って米国一辺倒の吉田政治からの脱却を目指すことにある”独立志向”の路線といえる。「ノウと言える日本」を唱えた石原慎太郎、日ロ交渉に執念を燃やす安倍晋三の路線はこの線上にある。
これに対して池田勇人元首相、佐藤栄作元首相は吉田路線の継承者として日米同盟の堅持に重点を置いた。対ソ、対ロ交渉には冷淡だったと言っていい。大平正芳元首相もこの路線にある。
大雑把な仕分けになるが、福田赳夫元首相は日ソ交渉の積極派。シベリア開発に日本が協力することで一部の財界と親密な関係を構築し、この路線上には森喜朗元首相がいる。だが小泉純一郎元首相の立ち位置はむしろ日米同盟の堅持派に近い。
米国からみると石原、安倍の路線は”異端”視せざるを得ない。日ロが親密になるのは、ロシアを孤立させる国際戦略にとってマイナス材料になる。世界第三の経済大国になった日本の動向には目を光らせている。
プーチン・ロシアと鋭く対立している米国にとって、日本がロシアに接近するのは包囲網の一角にほころびを見せることになりかねない。安倍政権は米国の圧力をひしひしと感じているのではないか。
もちろん安倍政権の基本は日米同盟の堅持が優先するから、対ロ交渉のテンポは緩めざるを得ない。プーチン側からみれば、日本を味方に引き入れる方策を考えているであろう。つまりは「ウクライナ問題は日ロ交渉にリンク」している。
米国の次の一手はロシアに対するさらなる経済制裁であろう。欧米が一致して経済制裁を強化した時に日本が中途半端な態度をとるのは許されない。大平正芳元首相の流れをくむ岸田文雄外相は日ロ交渉よりもロシア制裁に加わる路線にあるのは疑いない。安倍首相にとっては正念場を迎えることになる。
杜父魚文庫

コメント

  1. 山田みどり より:

    日本はモスクワより今年は寒いですね。あちらは雪も無く過ごしよかつたです。トルクメニスタン、ドバイ、アルメニアと回りました。ウクライナのキエフの行事が無くなり、ドバイに行く事に成りました。砂漠に突然できる街は何処も同じで、次々行くとと、今何処に居るのかが分からなくなります。
    共通点が有り、目抜き通りだけ中央に造形的な緑地帯が有り噴水が有り、白い高い建物や宮殿のような建物があります。
    カザフスタンの新しい街アスタナも日本人建築家の設計と言います。でもトルクメニスタンもガス会社はライターの形、図書館は本を開いた形です。
    ドバイも綺麗ですが煌びやかな建物に、黒い服の女性が目だけ出している服装、男性の白い長い上着⁇裸足にサンダルの通行の人とのバランスが異様でした。
    トルクメニスタンは街中にはほとんど人を見かけません。バザールにいき始めて人間性を感じます。
    アルメニアは石の街ですが落ち着いて古い変わらない?変わり様のない?街ですが、その方がずつと人間的です。ようやく文化会館ができましたささやかですが、来年一月から大使館が出来ます。またビザの関係で早めに帰国しました。
    今月一杯居たかつたのですが、どうなつているのか?私の帰国の日に森元首相がソチパラリンピツク閉会式のためにきておりました。もう少し両国の接近が出来ないものでしょうかね?
    取り急ぎ近況までですがお身体の方は如何ですか?心配しております。少しでも楽にお過ごしで有ります様にお祈りして居ります。ではまた、お大事に。山田みどり

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