16961 書評「日本を恐れ、妬み続ける中国」     宮崎正弘

■「国家」という概念を理解できない中国人、公私混同しか思考にはないのに「天下為公」とうそぶく神経の太さ
<黄文雄『日本を恐れ、妬み続ける中国』(KKベストセラーズ)>
中国には腐敗と利権をめぐる権力闘争の醜悪さがあっても政治家には国民に対しての愛が欠落している。孫子は戦争の目的を説いて、効果的戦術をたくさん列挙したが、ついに愛国心や忠誠心、軍のモラルについてはなにほども述べていない。
孫子から派生したハニーとラップ、巨額の収賄、賄賂を平然と要求してテンとは恥じない民族的特性は日本人にはとても理解できない。
中国の為政者にとって口癖は「天下為公」である。
とくにペテン師=孫文が好んで揮毫した四字熟語は「天下為公」であった。本当は『公私混同』と書けば良いのに・・・。
国家ではなく、中国史に於ける国家とは『天下』であり、その天下は易姓革命によって転覆される。だから皇帝は天子として与えられた徳を身につけている者であり、徳を欠く皇帝はいずれ滅ぼされる。
中国は一度として国民国家であった試しはないのである。
このような考え方が中国人のメンタリティを支配しているので、戦争の教科書でもある『孫子』には特攻、玉砕、散華という発想はゼロ、つまり国家のために戦争で死ぬ兵士はいない。
「文革後、中国共産党がいくら党大会で『社会主義新文明』を決議しても、文明というものは、党の大会の『決議』だけで創出できるものではない。歴史学者A.トインビーは『文明は滅ぼされるのではなく、みずから滅びる』というテーゼを取り上げている。中華文明は『自ら滅びる』というよりも加速的な、人為的自殺、自死とも言える。
清末から中国はみずから帝政を放棄して、西洋の政治文化である共和制を撰び、さらにソビエト連邦にならって社会主義帝政を撰んだ。このようなここ一世紀半の中国のおけるすべての運動、改革、革命と称するものは、伝統文明をみずから否定するものであった」と黄文雄氏は強調している。
本書は文明論的な歴史学的視点から、中国の特徴をあますところなく抉り出している。
杜父魚文庫

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