17512 目玉閣僚辞任、アベノミクスの「致命傷」にはならず    古澤襄

■ロイター・コラムでPeter Thal Larsen氏が論評
[香港 20日 ロイターBreakingviews]女性が輝く社会づくりの実現を打ち出して9月3日に発足した第2次安倍改造内閣は、わずか2カ月足らずで目玉の女性2閣僚、小渕優子経済産業相と松島みどり法相が相次いで辞任する異例の事態となった。
経済成長につまずきが見え始めるなか、安倍政権にとっては新たな頭痛の種となる。ただ、「女性の活躍」以外の改革の一部は前進を続けている。
政権トップの座に返り咲いて2年。安倍首相の日本経済再生計画は、最大の難関を迎えている。今年4月の消費税率引き上げは、経済成長と消費者マインドに予想以上の悪影響を与えた。ユーロ圏とアジアの景気減速は、日本が再びデフレに陥るかもしれないとの懸念を助長している。
経済成長の鈍化は、来年10月に予定される8%から10%への消費再増税の延期や中止を求める政治的圧力を高めている。安倍首相自身も英フィナンシャル・タイムズ(FT)とのインタビューで、日本経済へのダメージが大きすぎるようであれば、消費税率の再引き上げは「意味がなくなる」との認識を示した。
しかし、日本の長期的な財政再建の要となるコミットメントを取り下げれば、日本の金融市場再浮揚に大きな役割を担ってきた海外投資家の信頼を損なう可能性もある。

一方で、安倍政権最大の改革の一部は実を結びつつある。たとえば、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は資産127兆円の運用見直しで、国内株の比率を12%から20%台半ばに引き上げる可能性がある。これは、安倍政権が余剰資金を国債から民間投資の拡大に振り向ける取り組みを象徴する重要な動きだ。2閣僚の相次ぐ辞任にもかかわらず、20日の東京株式市場が急反発したのも、こうした背景で説明がつきそうだ。
安倍政権の成功の鍵を握るのは、投資家、そして有権者からの支持が今後も続くかどうか。女性閣僚2人の辞任はアベノミクスの逆風にはなっても、行く手をふさぐまでにはならないとみられる。
<背景となるニュース>
◎小渕優子経済産業相と松島みどり法相が20日、相次いで辞任。女性活躍を掲げて起用した2閣僚の辞任を受けて安倍首相は「国民に深くおわびする」と陳謝し、任命責任を認めた。
安倍首相は英FT紙のインタビューで、消費税率の再引き上げについて、日本経済へのダメージが大きすぎるようであれば「意味がなくなる」との認識を示し、消費増税を延期する可能性を示唆した。
◎ロイターは18日、GPIFが資産127兆円の運用見直しに向け最終調整に入ったと報じた。複数の政府関係者によると、国内債券を60%から40%程度にする一方、国内株の比率を12%から20%台半ばに大幅に引き上げる案が浮上している。(ロイター)
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