17852 原油価格がアフリカ経済に打撃    古澤襄

■産油国の通貨急落
[ヨハネスブルク 27日 ロイター]原油価格の急落がアフリカ経済に打撃を与えている。その影響の大きさは、純粋に経済的観点からすれば、エボラ出血熱による損失を上回っている。これまで最も被害を受けているのはアフリカ最大の産油国であるナイジェリアだ。
同国の中銀は今週、通貨ナイラNGN=D1 の8%切り下げを余儀なくされた。外貨準備が減少しているため、通貨の防衛が難しくなったことが背景にある。
通貨切り下げによって、ナイジェリアの国内総生産(GDP)は400億ドル減少した。これに対し、世界銀行は10月に、エボラ熱によるサハラ以南全域の経済損失は最悪のケースで320億ドルとの予想を示していた。
世銀のアフリカ担当チーフエコノミストは先週、最新の推定では、エボラ熱による経済損失は当初想定されたほど大きくなく、約30─40億ドルになるとの見通しを示した。
通貨ナイラは、切り下げや中銀による100ベーシスポイント(bp)の利上げ後も売りが加速する状況になっており、対ドルで過去最低の178.85ナイラをつけている。
アフリカの第2の産油国であるアンゴラでも、財政への懸念を映して通貨クワンザAOA=が9月以降3%強下落し、過去最低を更新し続けている。
アンゴラ政府は2002年に終結した内戦後の再建計画に資金を投じることによって、経済成長率が8.8%に達し、財政赤字が対GDP比で5%になるとの予想を1年前に示していた。
ただ、投資計画は、GDPの半分を占める石油の価格が1バレル=98ドルで推移するとの前提で進められていた。
政府は来年の前提を81ドルに設定したが、北海ブレント原油先物LCOcは27日の取引で4年ぶりの安値となる76ドルをつけており、この前提も楽観的過ぎるかもしれない。
アナリストらによると、同国の外貨準備は270億ドルと比較的健全な水準にあるため、通貨の暴落を防げると指摘するが、原油価格が80ドルを下回る水準に一定期間とどまれば、クワンザが下落を続け、財政赤字が膨らむ可能性がある。
そうなった場合は、歳出の大幅削減や外貨建て借り入れの大幅増につながり、2008年の金融危機と同様に、国際通貨基金(IMF)の支援を要請する事態に発展する可能性もある。
スタンダードバンクのアフリカ通貨ストラテジスト、サマンサ・シン氏(ヨハネスブルク在勤)は、「石油価格に歯止めがかからなければ、財政赤字(の対GDP比)は7.6%をはるかに上回るようになり、IMFの支援が必要になるだろう」と述べた。(ロイター)
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