17898 序盤情勢「自民300議席超」3つのワケ    古澤襄

第47回衆院選(14日投開票)で、自民党が300議席超を獲得する勢いとなっている産経新聞など各社の序盤情勢調査からは、野党共闘の効果が希薄である実態が浮かび上がる。野党にとっては誤算だが、自民党が堅調なのは、その裏返しともいえる。
民主党や維新の党などの野党各党は共倒れを避けるため候補者調整を進めた。その結果、共産党を除き一本化できたのは194選挙区。ただ協力関係を徹底させている選挙区は少ない。
民主と維新ですみ分けしただけでなく、選挙協力も進めている宮城1、2両区ですら、1区の民主候補と2区の維新候補はそろって苦戦している。
そもそも民主、維新、次世代、生活、社民の野党5党のいずれかの候補が競合する選挙区は62もある。ある選挙区では手を握り、別の選挙区では敵対関係とあっては、有権者に浸透することは、なかなか難しい。
しかも民主党最大の支持団体、連合には官公労批判を繰り返してきた維新の橋下徹共同代表(大阪市長)らへの反発が根強い。連合幹部は「いくらすみ分けをしても維新候補には組織票を出しづらい」と語る。

自民党が優勢なのは、野党に比べて全国各地に地方組織を築いている点も大きい。来年4月に統一地方選を控えているため、党執行部は早くから地方議員を引き締めていた。安倍晋三首相(自民党総裁)は、かねて「統一地方選で大きな勝利を得て、政権奪還を完成させたい」と語っていた。
これに対し、地方組織が脆弱(ぜいじゃく)な民主党は昨年7月の参院選でも惨敗し、党内の士気は下がるばかり。投票率の低下が指摘されるだけに、組織力の差が得票の差に直結しかねない。
経済的な視点も見逃せない。実質経済成長率が高くなると自民党は得票数を増やし、逆にマイナスになると民主党が躍進する傾向にある。
首相は4日、大阪府八尾市で「(小規模事業者の)ガソリン購入を支援し、低所得者には灯油購入を支援する」など、政府の円安対策を強調した。
首相の経済政策「アベノミクス」開始以来、増え続けてきた実質GDP(国内総生産)は7~9月期で前年より5・7兆円減った。このままでは経済成長がマイナスになりかねない。そんなところにも首相が早期解散に打って出た戦略が透けてみえる。
ただ、北海道や沖縄県などで劣勢、接戦の選挙区は少なくない。有権者の動向次第では、終盤戦にかけて流動的な面もある。(産経)
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