■NATOの目の前で、中ロは不気味な軍事力の誇示を狙う
ソマリア沖の海賊退治に「国際貢献」として、中国海軍の艦船が多数派遣され、それなりの活躍をしめした。
そのソマリア派遣の艦船のなかから「臨折」「?坊」「微山湖」が地中海へ回航され、ロシア海軍と待ちあって共同の軍事演習を展開する。五月十七日からを予定している。
五月九日のモスクワ「軍事パレード」に、西側の首脳は誰ひとり参加しなかったが、恩を売るかのように習近平がはせ参じ、プーチン大統領と閲兵式に並んだ。となりはカザフスタンのナゼルバエフ大統領だった。
中ロの密月は政治演出であり、孤立する両大国が、友誼を演出し、西側に見せびらかす政治ショーでもある。
ロシアの目的は中東への発言力強化である。
しかし中国の狙いはもっと違うところにある。
プーチンはウクライナ問題で西側の制裁をうけても強気の姿勢を崩さなかったが、原油価格下落によって経済が直撃され、中国に擦り寄らざるを得なかった。長期契約によるガス輸出はようやくにして「政治価格」で折り合いが付き、替わりにロシアは虎の子S400ミサイルの中国供与に踏み切った。
また現代級駆逐艦、キロ級潜水艦、スホイ27,同30ジェット戦闘機、S300防空ミサイルなどを供与し、中国の南シナ海の於ける軍事力増強に貢献した。
中国はソ連時代に空母を要求したが、こればかりはソ連が拒否していた。ソ連崩壊のどさくさに紛れて中国はウクライナに係留され、艤装工事を中断していた空母ヴァリヤーグを鉄のかたまりのまま買い取り、三年かけて大連に回航し、それから十年かけて中国海軍発の空母「遼寧」とした。
中国がロシアを怒らせたのはスホイの「ブラックボックス」をこじ開けて、模倣の戦闘機を製造し、輸出を始めたからだった。
このためロシアは部品供給をやめた。その結果、しばらくの間、中国空軍はジェット戦闘機を飛ばすことも出来ず、たまに訓練飛行をすると故障で墜落事故が続いた。
それがロシアの孤立による北京への再接近となり、ロシアが中国へにじり寄る。
これが2014年5月のプーチン訪中であり、これを契機にロシアはS400という先端の防空ミサイルを売却する。
S400は、防空飛翔体、つまり攻撃ミサイルを保有しない日本が対象ではなく、s400ミサイルの配備は北朝鮮の暴発に備えるためと推定できる。
また「中ロ両国はスホイ35の共同開発に合意したほか、米軍26型垂直離着陸機を真似た垂直離陸戦闘機を共同開発することになった」(多維新聞網、5月11日)
欺瞞と思惑が交錯する両国の結びつき、どこまで突き進むだろうか?
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