■ウクライナに武器供与必要
【ワシントン】米軍の次期統合参謀本部議長に指名されたダンフォード海兵隊総司令官は9日、上院軍事委員会で開かれた指名承認のための公聴会で、米国の安全保障にとって最大の脅威はロシアであるとの認識を示した。また、米国がウクライナに殺傷能力のある武器を供与しなければ、ウクライナは東部へのロシアの侵攻に対抗できないだろうと述べた。
ダンフォード総司令官は、中国や過激派組織「イスラム国(IS)」のほか、中東でのイランの影響力などさまざまな潜在的な脅威がある中で、米国にとって最大の脅威は核能力や近年の侵略の歴史からみてロシアであると指摘。「米国の存在に脅威を与えうる国について語るなら、ロシアを挙げざるを得ない」と述べた。
さらに米国の安全保障上の第2の懸念として北朝鮮、第3に中国、第4にISを挙げた。
ダンフォード氏は議長に就任すれば、ロシアとウクライナに関してより強硬な対策を勧告する意向であることを示した。
マケイン上院軍事委員長(共和、アリゾナ州)が「ロシアが昨年クリミアを併合したような侵略行為を行った場合、ウクライナは対抗できるか」と質問したのに対し、ダンフォード氏は「軍事的な観点から見れば、われわれがウクライナに支援を提供するのが理にかなっていると思う。率直に言えば、そうした支援がなければウクライナはロシアの侵攻に対し自衛できないだろう」と述べた。
ワシントンのロシア大使館の広報担当者は、ダンフォード総司令官の発言についてコメントを差し控えた。
オバマ政権は殺傷能力のない軍需品をウクライナに供与しているが、当局者によると、殺傷能力のある武器の供与については今も検討中だという。
仮に武器の供与に踏み切れば、ロシアとの代理戦争になると懸念する向きは多い。米国などによるウクライナ軍事支援を上回るスピードで、ロシアがウクライナ東部の親ロシア派武装勢力への支援を行う可能性が高いとみられている。
ダンフォード総司令官は上院で承認される見通しで、今秋退任する予定のデンプシー元統合参謀本部議長の後任となる。
イラクに関してダンフォード氏はオバマ政権の見方を繰り返し、イラク政府軍がISとの戦いに勝利するだろうとしながらも、政治的な解決も必要になると述べた。
ただ、対IS戦略の軍事的な部分が重要であることに変わりはないと述べ、より積極的なイラク軍支援を提唱する可能性を示唆した。
アフガニスタン駐留米軍の撤退については、必ずしも既定のスケジュールに縛られず、現地の情勢を基に判断するとの従来の立場を繰り返した。
アフガン駐留米軍は現在約1万人で、オバマ政権は来年末までに少数の部隊を残して撤退するとの目標を維持している。(米ウオールストリートジャーナル)
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