19824 フォルクスワーゲン問題前から弱かったドイツ株   古沢襄

■市場を覆う中国減速懸念

[東京 24日 ロイター]フォルクスワーゲン(VW)(VOWG_p.DE)の排ガス不正問題で揺れるドイツ株。だが、実は問題が発覚する前から相対的なパフォーマンスは弱かった。

近年、同国は中国向け輸出を拡大させ、中国経済減速の悪影響を受けやすいとの警戒感が強まっていたためだ。

米利上げは先送りされたが、中国発の世界経済減速への懸念が市場を圧迫。連休明けの日本株も大幅安となり、建機など機械株が下落率トップとなっている。

<中国事業拡大が裏目>

ユーロ安の恩恵を受け、欧州圏経済で一番強いとみられていたドイツが揺れている。ドイツ最大の自動車メーカーであるVWの不正問題は、部品メーカーなどへの懸念に波及。ドイツの主要株価指数は急落した。「メード・イン・ジャーマン」への不安につながりかねないとして、もはや国家レベルでの危機と受け止める声もある。

しかし、実はドイツ株はVW問題が発覚する前から弱かった。

前週末の株価と7月末との株価を比較すると、フランスCAC.FCHIは10.7%、英FT100.FTSEが8.8%の下落なのに対し、ドイツDAX.GDAXIは12.3%の下落だ。DAXは欧州株で唯一、配当込みの指数だが、配当なしのDAX指数.GDAXIPを見ても下落率は12.3%と高い。

売り材料となったのは、中国経済の減速懸念だ。

ドイツ連邦統計局のデータによると、ドイツの輸出に占める中国の比率は、2007年に3.1%だったが、14年には6.6%に上昇。欧州連合(EU)加盟国の中でトップの対中輸出は、これまではドイツ経済を押し上げる役割を果たしてきた。しかし、中国経済の減速で一転大きなリスクとなっている。
 

<グローバル投資家のリスクオフ>

連休明けの日経平均.N225も500円近い大幅下落となった。日本の自動車メーカーが、VWの不正問題で「漁夫の利」を受けるとの期待は高まらず、トヨタ自動車やホンダなどライバル社の株価もさえない。「業績見込みなどは関係なく、グローバルな投資家が自動車株を外しにきている」(大手証券トレーダー)という。

東証1部の業種別騰落率で、下落トップは機械株。コマツや日立建機など建機株が約8%と大きく下落したためだ。「中国発の世界景気減速懸念が市場を覆っている」と、日本アジア証券・グローバル・マーケティング部次長の清水三津雄氏は指摘する。
 

連休中に財新/マークイットが23日に発表した9月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は47.0で、2009年3月以来6年半ぶりの低水準。アジア開発銀行(ADB)は22日に今年の中国の成長率予想を7.0%から6.8%に引き下げたが、市場ではさらなる下方修正に警戒感が高まっている。

<政策期待も効果には期待薄>
 

SMBC日興証券・チーフエコノミスト、牧野潤一氏によると、現在までの中国の景気対策は計4.3兆元。リーマン・ショック時の4兆元を上回る。景気対策は今年5月ごろから始まっており、半年後の11月ごろには効果が表れる見通しだ。

とはいえ、中国の国内総生産(GDP)規模は当時より大きくなっており、景気刺激効果は相対的に小さくなっている。さらにインフラ投資が中心であることから、計画策定や執行にも時間がかかっているようだ。

日本でも景気減速懸念が強まる中、市場では政策期待が高まっている。安倍晋三首相は、24日夕に開かれる自民党の両院議員総会後に記者会見を行い、名目GDPを600兆円にする目標を打ち出す見通しだ。

ただ、グローバル経済の見通しが暗いなかでは、市場の反応も限定的となりそうだ。T&Dアセットマネジメントのチーフエコノミスト、神谷尚志氏は「世界経済が減速するなかでは、日本企業の経営者も設備投資や賃金を増やそうとは思わないだろう。手詰まり感のある金融や財政の政策で、こうした不安を払しょくするのは難しいかもしれない」と話している。(ロイター)
 

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