韓国ウオッチャーの黒田勝弘氏は、韓国で「鳩山は盧武鉉か?」という議論が各種セミナーや討論会で展開されていると指摘していた。鳩山内閣が発足して100日にもならないが、盧武鉉政権の軌跡をみると鳩山政権は驚くほど酷似した道を歩んでいる。
黒田氏は《左派・革新系の盧武鉉前政権は「米国にも言いたいことは言う」として、基地問題をはじめ対米関係の見直しや、「東アジアで均衡者になる」と称して米国との同盟を揺さぶった。皮肉なことに、今度は逆に「鳩山政権の盧武鉉化」が言われている》・・・と鳩山政権の前途に警鐘を鳴らしている。
盧武鉉大統領は金大中氏の太陽政策を継承し、北朝鮮に対しては宥和的な姿勢で臨んだ。独自外交路線を推し進め、米韓同盟を見直しに積極的であった。
盧武鉉氏は大統領に当選する前「反米だからどうだと言うのだ?」と述べ、それは盧武鉉への支持に繋がると同時に、多くの国民に彼がアメリカとの関係に独立した一線を導くと信じさせた。(ウイキペデイア)。
これに対して韓国の保守派とアメリカは疑念を抱き、反共の野党ハンナラ党はたびたび盧武鉉を極左として非難を高めている。
「東アジアで均衡者になる」と称した盧武鉉氏のアジア政策は次のようなものである。
<<韓国が北東アジアのバランサーの役目を果たすという盧武鉉宣言は、アメリカが紛争当事者になったときに韓国は中立的立場を維持する可能性があるとアメリカは受け取った。国防次官補のリチャード・ローレスは露骨に不快感を示し、米韓同盟の役割に疑問を呈した。>>
2006年に訪米した盧武鉉大統領を迎えたアメリカの世論は、冷却化する米韓関係を象徴するよう冷淡であり、ニューヨーク・タイムズ紙は「米韓関係はここ数ヶ月で『日本海ほど広がった(as wide as the Sea of Japan)』」と評している。
ブッシュ大統領との首脳会談で、共同文書の発表すら出来なかった。米韓同盟は”一つの時代の終わり”とみなされ、同盟構造の解体を視野に入れた「白鳥の歌」を世界に知らしめることとなったとの評論が生まれるくらいになっている。これが軍事同盟のみならず米韓経済に与えた影響は大きい。
アメリカとの関係に独立した一線を導くとして韓国民の圧倒的な支持を受けた盧武鉉大統領であったが、政権末期には増大する失業者から離反を招く結果となった。とくに大卒者の就職難で若年層の支持を失い、支持率も20%を切って、失意の中で大統領を退いた。盧武鉉氏の後継者も大統領選で敗北して、保守派の李明博大統領の登場を許している。
韓国経済の対米依存度は高い。それが漢江の奇跡という韓国経済の驚くべき発展の基礎となっている。それを無視して、単純に反米主義に走ったところに盧武鉉政権の悲劇がある。
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4562 韓国で囁かれる「鳩山は盧武鉉か?」 古沢襄
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