「焼け跡闇市やみいち派」を自称した作家で、元参議院議員の野坂昭如(のさか・あきゆき)さんが9日午後10時30分、心不全で亡くなった。
85歳だった。喪主は妻の暘子(ようこ)さん。
神奈川県鎌倉市生まれ。早稲田大仏文科中退後、コラムニストやテレビ作家として注目され、1963年には「おもちゃのチャチャチャ」で日本レコード大賞童謡賞を受けた。
同年、「エロ事師たち」で小説デビュー。空襲で生き残ったことなど戦中戦後の体験へのうしろめたさから、「焼け跡闇市派」を自称することになる。戦後の性風俗を息の長い関西弁風の独特の文体で描いた。68年には、「火垂ほたるの墓」と「アメリカひじき」で直木賞を受賞。97年には「同心円」で吉川英治文学賞を受けた。
72年には雑誌「面白半分」編集長として永井荷風作とされる「四畳半襖ふすまの下張」を掲載し、わいせつ文書販売罪で刑事事件の被告になり、法廷闘争。最高裁で罰金10万円の有罪判決が確定した。
83年には参院選比例代表で二院クラブから当選。同年12月の衆院選では、金権政治を批判して、田中角栄元首相の選挙区である旧新潟3区から立候補し、落選した。「火垂るの墓」は88年に高畑勲監督がアニメ映画化し、話題を呼んだ。
2003年に脳こうそくで倒れ、リハビリに励んでいた。妻は、元宝塚女優の暘子さん。(読売)
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