2396 「和」の心が世界を救う 平井修一

「平均年収4000万円を約束 リーマン社員慰留に躍起の野村」という記事を興味深く読んだ。さすが「ハゲタカ」だ。堅気の商売ではない。
ハゲタカばかりでなく、米国の経営者の報酬は世界のトップクラスだろう。ヒト、モノ、カネが自由に羽ばたくのをよしとするのが米国式の資本主義で、優秀な経営者は引っ張りだこだから巨額の報酬で引き止めるしかないのだという。
<私たちが変えようようとしたのは上層部だ。会社を変えようとするなら、まず頭から変えないといけない。倒産寸前の会社で、ろくに仕事もせずに高い給料をもらっていた人たちが、ある日突然、会社をよくするために猛然と働き出すことはない。・・・
辞めていった経営幹部を補充するために、高額の報酬を用意した。1994年、ユナイテッド航空から魅力的な誘いがあったとき、コンチネンタルが私を引き止めるために大金を用意したのと同じである。・・・
来てもらった後は、もちろん逃がさないようにしなくてはいけない。コンチネンタルの経営幹部には毎日のようにヘッドハンターから電話がかかってくる。
ある管理職は、少なくとも週2回、引き抜きの打診があると打ち明けた。しかし、甘い誘いに応じるものはいなかった。コンチネンタルで得ているものと同じものを与えてくれる会社など、どこにもありはしないからだ>(ゴードン・ベスーン「大逆転!」)
100億円の利益をあげてくれる人材なら年俸10億円プラス成功報酬で50億円出しましょうというのが米国式で、優秀な人は報酬次第でライバル会社へ移籍してしまう。日本とは異なる経営風土だ。
トヨタの副社長が日産の社長になれば、「奴には愛社精神がなかった、金で転んだ」なんて言われ、業界のパーティで後ろ指をさされかねない。「立って一畳、寝て半畳。報酬よりも大事なものがあるんです」なんていう思いを日本の経営者は心のどこかにもっている。
暴力的で野蛮とは言わないが、いささか乱暴な米国式資本主義とは明らかに異なる日本式があり、GMの凋落を見ればどちらが正解だったかは明らかだろう。
税金投入で倒産を免れたAIGが代理店対象の豪遊旅行をして非難をあびた。インセンティブツアー(報奨旅行)というもので、毎年、優秀な成績をあげた人を招待し、名誉を表する。
トップクラスの人は高額の報酬、ファーストクラス、リムジン、スイートルームを用意され、それに続く人々は「来年こそ自分がスポットライトを浴びよう」と決意を新たにするのだ。
日本ではIBMやアムウェイなど外資系が定期的に実施しているが、日本企業にはどうも根付かなかったようだ。
アメリカンドリームを体現した勝ち組は雲上人のように我が世の春を誇り、負け組みはマイホームから追い出される式の格差社会は、「和」を大切にする日本人の体質に合わないのだろう。小生はそれを誇らしく思う。
勝った人は奢らずに清廉に暮らし、負けた人、弱者もそれなりに楽しく過ごせるという日本式が世界の範、標準になれば、世界ははるかに暮らしやすくなりはしまいか。命懸けで欧米の植民地支配を粉砕した日本なら、それも可能だろうと期待したい。
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