2883 「小泉劇場にまたやられる」の不安 古沢襄

「小泉劇場にまたやられる」と民主党に警戒感が漂う・・・時事通信の解説は面白い。菅直人代表代行が自身のブログで「国民が郵政選挙のように再度だまされないことを祈る」と呼び掛けている。
民主党に有利と前評判が高かった2005年(平成17年)9月11日の総選挙だったが、大方の予想を覆して小泉自民党が圧勝している。当時の小泉首相は「自民・公明の両党の公認候補が過半数を獲得できなかったら退陣する」と明言、背水の陣を敷いて選挙に臨んだ。
当初は自民党が分裂選挙で大敗するとの予想から”やけっぱち解散”などマスコミから揶揄されたが、小泉首相は郵政民営化法案に反対した37人の議員を公認せず、矢継ぎ早に対立候補を送り込んでいった。
この対立候補は造反議員を落とす為だけの候補者、つまり刺客であると非難され、数多く擁立した女性候補については”くのいち候補”と話題となった。テレビ・マスコミは分裂選挙の模様を詳しく報道、この騒ぎで有利とみられていた民主党は埋没している。まさに民主党にとって悪夢の郵政解散・総選挙となった。小泉劇場にしてやられた郵政選挙となってしまった。
ウイキペデイアは当時の模様を再現している。
<小泉首相は解散により自民党の躍進を予想していたが、党内には分裂選挙による大敗を予想する意見も根強かったことから、国事行為(衆議院解散)に関する閣議決定文書への署名を拒否する閣僚が出た。
臨時閣議は中断を挟みながら、二時間超に及んだ。反対閣僚のうち総務大臣麻生太郎と行政改革担当大臣村上誠一郎は最終的に首相の説得に応じて署名したものの、農林水産大臣島村宜伸は最後まで署名を拒んだため、首相は農水相を罷免した上で自ら農水相を兼務(8月11日まで。後任は岩永峯一)という形式で閣議決定文書を完成させ、解散に踏み切った。
また、この閣議で参議院本会議で郵政民営化法案に反対票を投じた防衛政務官柏村武昭も罷免された。
小泉は同日夜、解散直後の記者会見で「今回の解散は『郵政解散』だ。(郵政民営化に)賛成してくれるのか反対するのか、はっきり国民に問いたい」と述べ、郵政民営化を地動説になぞらえ、ガリレオ・ガリレイの創作された寓話のセリフ「それでも地球は動く」を引用して民営化の正当性を主張した上で、自民・公明の両党の公認候補が過半数を獲得できなかったら退陣すると明言した。
また、恒例となっている解散のネーミングは、総選挙実施日がアメリカ同時多発テロ事件が起きた9月11日であることなどから自爆テロ解散、自民党が分裂選挙で大敗するとの予想からやけっぱち解散などとも揶揄されたが、選挙後は郵政解散が定着した。
解散後自民党執行部は郵政民営化法案に反対した37人の議員を公認候補者としないことを発表し、矢継ぎ早に対立候補を送り込んでいった。
解散当初は分裂選挙による自民党の敗北が予想されており、この対立候補も造反議員を落とす為だけの候補者、つまり刺客であると非難された(女性についてはくのいち候補とも呼ばれた)。
一部の刺客候補は自民党比例代表名簿上位に記載されていた。一方で郵政民営化法案の採決を棄権した議員は引退表明をした議員を除き、選挙後に再度提出される郵政民営化法案への賛成を、誓約書として執行部に提出することで、全員が公認を得た。
郵政民営化法案に反対した議員は党の公認を得られなくなったことから、「新党結成して立候補」「自民党地方組織の応援を受けあくまで自民党党員として立候補」「自民党を離党して無所属で立候補」「立候補断念」という選択を迫られた。
自民党の地方組織は東京都連のように党公認候補の支援を決めたところもあったが、岐阜県連のように反対票を投じた候補を独自に公認し、中央と地方のねじれ現象が発生する選挙区もあった。
ちなみに自民党が公式に「刺客」と称して対立候補を立てるといった事は一切していない。一連の自民党の行動を亀井静香が「刺客」と評し、他党やマスメディアもそれに倣ったことによる。
しかし、刺客の一人である小池百合子を「自民党の上戸彩(映画で女刺客「あずみ」役を務めた)だからな」と呼んだ村上誠一郎など、ある時期までは自民党の関係者も「刺客」を肯定していた。ところが、8月28日、自民党は公式に「刺客」を使わないようマスコミ各社に申し入れた。
こうした状況下で郵政民営化法案に反対票を投じ、自民党の公認を得られなかった衆議院議員は、元衆議院議長綿貫民輔、元建設大臣亀井静香らが綿貫を代表に「国民新党」を、元財務省副大臣小林興起、荒井広幸らは長野県知事田中康夫を代表に迎え「新党日本」を結党した。
この新党日本は結党時は国会議員が4人であったため公職選挙法上の政党として認められる国会議員5人以上ではなかったことから、国民新党の参議院議員長谷川憲正を名簿上移籍させることで政党として認められたが、この事で新党結成は理念や政策の一致による物ではなく、政党としての権利を得る為だけの数合わせで、選挙互助会に過ぎないと批判を浴びることとなった。また、復活を目指す元北海道開発庁長官鈴木宗男も北海道で政治団体「新党大地」を結成した。(ウイキペデイア)>
東京全選挙区で民主党は次々と落選、当選したのは菅代表代行一人という想像を絶する結果となったから、苦杯をなめた菅代表代行が自身のブログで「国民が郵政選挙のように再度だまされないことを祈る」と警鐘を鳴らしているのは、それなりの理由がある。
<民主党は13日、麻生太郎首相を痛烈批判した小泉純一郎元首相の狙いや影響など「分析」を進めた。麻生政権が一層弱体化するとは見るものの、自民党内の対立から衆院解散に発展して政界再編含みの展開になれば、民主党が埋没しかねない。小泉氏の動きには警戒感も広がった。
「どちらも国民を向いていない」。民主党の鳩山由紀夫幹事長は13日の記者会見で、小泉氏の発言を首相との「権力闘争」と断じ、両氏を切り捨てた。鳩山氏は12日には、定額給付金支給のための法案の衆院再可決に疑問を呈した小泉氏を「言っている通り」と評価したが、この日は肯定的な発言は一切なかった。
民主党への追い風を意識する小沢一郎代表ら党執行部としては、不人気の麻生政権を衆院解散に追い込み、政権を懸けた「自・民対決」に持ち込むのが基本戦略。自民党内の対立から解散となり、郵政民営化を争点に大敗した前回衆院選の悪夢が党幹部の脳裏をよぎる。菅直人代表代行は13日、自身のブログで「国民が郵政選挙のように再度だまされないことを祈る」と呼び掛けた。
給付金関連法案の衆院での再議決では、小泉氏や同氏を支持する若手議員の動向が焦点。もし、小泉氏が造反すれば、麻生政権には打撃で政局が流動かしかねないが、来週はロシア訪問で国内に不在だ。
13日の民主党幹部会では、輿石東参院議員会長が「引退する小泉氏に影響力はない」と、小泉氏の帰国後の参院採決を強く主張。小沢氏も同調し、来週の採決は見送る方向になった。ただ席上、出席者の一人は「小泉劇場にまたやられる」と小泉氏を待っての採決に不安を漏らした。(時事)>
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