ゲーツ国防長官が画期的な発言。「武器輸出制限は大規模な緩和が必要だ」。冷戦時代の遺物、二十一世紀の技術競合時代にそぐわない。
ニューヨーク・タイムズ(2010年4月20日)によれば、ペンタゴンとの契約業者との会合に出席したゲーツ国防長官は「いまの武器輸出規則は時代遅れ、時間の無駄、緩和すべきだ」と爆弾発言ともとれる内容のスピーチを行ったという。
たとえばF16は修理するにも純正パーツが求められ、戦闘機の売却は議会の承認が必要。ゲーツは1982年、レーガン政権のおりにCIA副長官をしていたので、冷戦時代のソビエトへの高度武器輸出統制、微妙なハイテク製品、部品、製造装置、原材料にいたるまで徹底的に検査し、ココム違反だと言って我が国の東芝機械を批判したりした。
だが、ハイテク製品の認定は既にが時代遅れであり「ラジオシャークでも売っている部品、コンポを武器輸出規制品目に入れて検査するなど時間の無駄である」と断定した。
ゲーツ発言がただちに立法化されることはなく、米国は商務省、国務省、ペンタゴンの対立関係が解消されない限り、大規模な緩和は有り得まい。しかし、武器輸出の競合にしのぎを削る米国としては、もはや背に腹は代えられない、ということなのだろう
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(随筆)駅前留学NOVAに続き、英語学校ジオスの倒産。日本から英会語ブームは去った? 英米から学ぶものはもはやないから??
ハーバード大学へ日本からの留学生がたったひとり。かつてどれほど熾烈な競争があったろうか。フルブライト留学生はエリートのなかのエリートだった。竹村建一、小田実、徳岡孝夫の各氏ら。。。すらすらと名前がでてくる。
ミッキー安川氏は船で西海岸へあがってオハイオ州の大学を目指すが、英語がまったくわからず、思いたってカリフォルニア州だかの小学校で英語を聞き馴らし、ようやく学資をかせいでふたつか三つの大学へ通った。
かくいう小生も1983年に米国政府のなにがしかの選考にひっかかって、遊学の機会があった。ピーター・ドラッカーの住んだ大学町のクレアモント研究所に一ヶ月。
刺激的だった。まだまだ米国から学ぶべきは多く、学問が先端的で戦略性にも富んでいた。
その後、幾ばくかの変遷をへて筆者自身は米国に興味を失い、あれほど通っていた米国へ行かなくなってから十年の歳月がながれた。
他方では勢いよく勃興する国々があった。中国、インド、ロシア、インドネシアなどだが、行ってみると確かに刺激的で面白い。いまや日米貿易より、日中貿易のほうが金額的にも量的にも多く、アジア全体への日本経済の依存比重は大がかりになって嘗ての対米依存が減った。
だからというわけではないが、英語を必死で学ぼうという姿勢が日本から消えたようである。
NOVAが倒産し、こんどはジオス。こうした英語離れ、米国離れは次にどういう現象をうむのか、興味がある。
一方、日本へ留学するアジア諸国、とくに中国からの留学生の夥しさよ。日本語が世界を席巻するとなれば、日本人が外国語の習得に熱意を示さなくなるのは当然からも知れない。米国留学ばかりではない。ロシア語、ドイツ語、フランス語を学ぼうとする日本人が激減しているではないか。
その一方で、秋田国際大学にみられるように授業はすべて英語で行われる大学は、いきなり競争率はげしく、就職率100%。日本企業は国際人をもとめている証拠だろう。
四半世紀以上前に中津遼子という英語教育専門家が『なんで英語やるの?』(文春文庫)という本を書かれ、大ベストセラーとなった。それは発音の問題で呼吸法にも言及した画期的なものだった。
しかし日本語をろくに喋れない幼児から英語を教えても意味がなく、まずはしっかりした日本語を習得してから英語をやると飲み込みも早いし、語彙力もすぐにつく。
ところが大学入試に英語があって国語がない大学がある。信じられないことである。ジオスの倒産はいろいろと考えさせられた。
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5427 ゲーツ国防長官の爆弾発言の背景 宮崎正弘
宮崎正弘
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