7131 ムバラク大統領が国民向けの演説 古沢襄

エジプトのムバラク大統領は、午前7時すぎから国営テレビを通じて国民向けの演説を行った。「国民に法律に基づいた自由は認めるが、無法状態を許すことはできない」と述べている。その一方で、29日にも内閣を総辞職させて、新内閣を発足させると国民に理解を求めた。
この居直りともいえるムバラク大統領の強硬な姿勢に米国は戸惑いを隠せない。ワシントンから時事通信は「ギブズ米大統領報道官は28日の記者会見で、エジプト政府に対し、”長年にわたって同国内に蓄積された正当な怒りに直ちに対処しなければならない”と要求、事態の進展に基づき、対エジプト援助を見直すと警告した」と伝えている。
エジプトで親米的な政権が倒れれば、中東情勢は一気に緊迫の度を強める。唐突とも思えるIAEA前事務局長のモハメド・エルバラダイ氏の帰国は、今になって考えれば米国やEU主要国の意図が働いていたのかもしれない。
だがムバラク大統領はデモに参加したエルバラダイ氏を拘束し、治安部隊を動員してデモの鎮圧に当たっている。デモに参加している国民の多くはムバラク退陣を求めているものの、パンと職を求める素朴な民衆の不満を表明とみなければならない。
それを治安部隊を動員して激しく鎮圧に当たれば、民衆の素朴な不満は内戦をも辞さない武力闘争に転化する危険性がある。それはイスラム過激派の思うつぼであろう。デモの主導権が過激派の手中に落ちる可能性は否定できない。カイロから時事通信は治安部隊とデモの衝突で、すでに死者が20人、数百人が負傷したと伝えてきている。
<【カイロ時事】ムバラク大統領の退陣を要求して4日連続で大規模な反政府デモが起きたエジプトでは28日夜、カイロなど3都市に夜間外出禁止令が出された後も、デモ隊による抗議行動が続いた。AFP通信によると、カイロやスエズなどで同日発生した抗議行動で少なくとも20人が死亡、数百人が負傷した。
民衆デモで政権が崩壊したチュニジア政変が波及する形となったエジプトでの抗議行動は激しさを増しており、収拾する気配は見せていない。カイロ市街には警官隊だけでなく、装甲車や軍用ヘリコプターなどが出動し、騒然とした雰囲気に包まれている。
一方、野党、新ワフド党の幹部バダウィ氏は同日、「移行政府を樹立し、新たに議会選挙を実施する時だ」と訴える声明を出した。
カイロでは同日夜、与党・国民民主党(NDP)本部で火災が発生。英BBC放送によると、外務省やテレビ局が入居するビルなどもデモ隊に取り囲まれている。(時事)>
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