7884 普天間問題が白紙にもどる!? 古森義久

普天間問題をめぐり、アメリカ側で新たな動きが起きました。
■普天間、嘉手納に統合を 米上院有力議員 辺野古移設は「非現実的」
【ワシントン=古森義久】米上院軍事委員会のカール・レビン委員長(民主党)ら超党派の3議員が11日、東アジアの駐留米軍再編に関する新提案を発表、 国防総省に対して普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)に駐留する米海兵隊の米空軍嘉手納基地(同県嘉手納町など)への移転を検討するよう求めた。 この新提案では、現行の普天間飛行場の同県名護市辺野古崎への移設計画に反対を明示しており、日米両政府が進める現行案に重大な影響を及ぼすとみられる。
提案は、レビン議員と上院軍事委員会の共和党側筆頭メンバーのジョン・マケイン、民主党のジム・ウェブ両議員との連名で、「東アジア軍事基地計画の再検討」と題している。
在日米軍の再編成に関して、安全保障や財政状況から、2006年に合意した辺野古移設計画は、もはや「非現実的、実行不可能、財政負担でも不可能になった」として、大幅な修正を求めている。
その上で、国防総省に対し「普天間の海兵隊飛行部隊はキャンプ・シュワブ(名護市辺野古)に高価な代替施設を建設するよりも、嘉手納基地への移転の実行 可能性を検討し、同時に嘉手納の部隊の一部をグアム島のアンダーソン基地や日本国内の他の場所へ分散することを検討する」よう求めるとしている。
この提案は上院軍事委員会全体としての提言の重みを持っており、オバマ政権の政策にも大きな圧力になると予測される。
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【用語解説】普天間移設問題
日米両政府は1996年、市街地に近いうえ老朽化しているとして沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場返還と移設に合意、日本政府は99年に同県名護市辺野 古沿岸への移設を決定した。しかし2009年の政権交代後、鳩山内閣は県外移設を模索したが迷走、沖縄県でも県外を求める声が高まった。日米両政府は10 年5月、改めて辺野古崎と隣接水域を移設先とする共同声明を発表、菅直人首相も同声明を踏襲している。
■「普天間」提案 米上院軍事委、日米に圧力
【ワシントン=古森義久】米上院軍事委員会の3議員が沖縄の普天間飛行場の嘉手納基地への統合などを提案したことは、日米両国政府がこれまで2006年 の在日米軍再編ロードマップ(行程表)に基づき進めてきた辺野古への移設計画を、白紙に戻す可能性への門戸を開いたこととなる。
辺野古への移設案に対しては、米側の一部ではこれまでにも非公式に懐疑や反対が表明されてきたが、今回の上院軍事委員会の提案は、提案の主体が立法府で 軍事費支出の権限を握る強力な組織であるため、オバマ政権も真剣に受け止めざるを得ない。しかもこの3議員は民主、共和両党の重鎮ともいえる有力者であ り、軍事委自体の重みと合わせてその提案のインパクトは巨大だといえる。
他方、米側での今回の立法府と行政府の足並みの乱れは日本側の辺野古反対派に有力な武器を与え、日本政府をも苦しい立場に追い込む爆発性を持っている。
しかしこの提案は、その主張のように2006年に採択された一連の在日米軍の再編計画が、5年後の現実にそぐわなくなった実情を明確に映し出したといえそうだ。
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■枝野長官、「辺野古」移設着実に/下地議員、嘉手納統合は合理的
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古移設計画を、「非現実的」と断じた米上院軍事委員長らの声明。県外移設を求める沖縄では12日、辺野古移設見直しに期待が高まる一方、嘉手納基地(同県嘉手納町など)統合案に賛否の声が上がった
枝野幸男官房長官は12日午前、声明について「日本政府としては日米両政府の合意を着実に実施する方針に変わりはない」と述べた。北沢俊美防衛相は「提言は重く受け止めなければならないが、米政府の考え方を注意深く見る」と述べた。
国民新党の下地幹郎幹事長(衆院沖縄1区)は「菅直人首相は米国議会の動きを踏まえ、普天間移設をゼロからやり直すことが大事だ」と述べたうえで、「嘉 手納移設は合理的だ。辺野古でなければならないという日本国内の風が変わるチャンスなので、外務省と防衛省は見直しに取り組んでもらいたい」と強調した。
これに対し、沖縄県の仲井真弘多知事は、「米政府や国防総省が受け止めるかどうか見るしかない」とし、又吉進知事公室長は「これ以上の負担増は受け入れられない。軍事委員長の立場は重く、米政府の中でどう処理されるか気になる」と話した。
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