米国共和党議員がヒラリー国務長官に公開質問状。「米国は人権重視を謳いながら、なぜ王立軍の亡命を受け入れなかったのか?」
まさに「校兎死して走狗煮らる」。獲物の兎がなくなれば、つぎは立役者の猟犬が煮て喰われる。王立軍は薄き来にとって煙いばかりか邪魔になっていたようで、王立軍は粛正される気配を感じ取っていた。
薄き来の右腕だった王立軍の「米国亡命未遂事件」は、その後も尾を引いている。
おりから習近平副主席が訪米し、アイオア州の嘗てのホームスティ先の農家に立ち寄るなどの演出(米国から大豆をたくさん輸入しますよ)に米国のマスコミは穏和な報道を展開したが、ワシントンでアイオア州で、街路の向こう側の道路をふさいだのは「人権」「政治的自由」を訴えるチベット人団体、宗教団体そして民主活動家のグループだった。
習近平の講演はワシントンでなされたが、僅か二十分、しかも中味の冗漫さもさりながら、この次期指導者はじつに口下手、講演下手、個性の希薄さを、逆に印象づけてしまったようだ。
さて同時期、共和党外交委員会に所属するイレアナ・ロスレチナン議員はヒラリー国務長官に書簡をおくり、「王立軍が成都の米領事館を訪問したとき、誰が面会し、どのような会話があったのか、明らかにするべきではないか。王は幾多の機密情報、とくに中国の権力中枢内美の権力闘争に関して情報をもたらしたとされるが、それらの情報を公開するべきである」とした。
そのうえで同議員は、「米国はなぜ王立軍の米国亡命を受け入れなかったのか。その後、王は北京へ連れて行かれたまま消息が不明となったが、これは人権を尊重する米国の基本方針に抵触する。これは習近平訪米前に事を荒立てまいとした打算からか」と詰問調の公開質問となった。
ワシントンタイムズのビル・ガーツ記者は、今回の事件を「王立軍の叛逆」と定義し、「CIAは多大な中国の闇の奥に広がる『神秘な情報』を獲得出来たはずだ」とした。
米国務省のビクトリア・ヌーランド報道官が言ったような「王立軍は自分で選択して、あるいて領事館の外へ出た」という公式見解も怪しいとするのが、ワシントンタイムズや共和党保守派の位置づけのようである。
現在までに判明した事実は「成都の米総領事館に王立軍は2月6日午後十時、変装して入館し、総領事のピーター・ヘイモンドが面会したこと。王はボスだった薄き来の腐敗ぶりと新マフィアとの繋がりなどの機密を語ったこと。そしてヘイモンド総領事は北京の米国大使ゲイリー・ロック(中国系アメリカ人、前商務長官だが北京語ができない)に情報をあげ、大使はワシントンの国務省高官からオバマ大統領補佐官にまで決済を仰ぎ、このルート間では激烈な討論があったことなどが判明している」(多維新聞網、2月17日)
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9115 亡命を失敗した王立軍がもたらした秘密情報 宮崎正弘
宮崎正弘
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