9230 韓国軍:「北の挑発受けたら10倍砲撃せよ」  古沢襄

オバマ米大統領は、少なくとも十一月の大統領選挙までは中東と朝鮮半島で軍事衝突が発生しないよう説得に躍起となっている。ところが訪米したイスラエルのネタニヤフ首相は、自衛のために軍事行動に訴える権利を有していると主張、両国間の溝を埋めることはできなかった。(ロイター)
一方、韓国は金寛鎮(キム・グァンジン)国防部長官が七日に延坪島の海兵隊を視察、「もし北朝鮮が挑発してくれば、攻撃拠点はもちろん、後方の支援部隊も完全に制圧するまで厳しく報復せよ」「哨戒艦『天安』爆沈、延坪島砲撃への報復という意味でも、強くかつ断固たる対応をしなければならない」「挑発を受けたら、敵の10倍砲撃せよ」と臨戦態勢を指示した。
金長官は厳しい表情で「一滴の血も流すことなく、平和を守ることはできない。国民を守るには、軍が犠牲にならなければならない」と強調したという。(朝鮮日報)
オバマが平和の笛吹けど、イスラエルと韓国は踊らず、ということか?米国が弱腰とみられたら、かえって軍事衝突を誘発することになりかねない。
<[ワシントン 5日 ロイター]オバマ米大統領とイスラエルのネタニヤフ首相は5日、ホワイトハウスで会談し、イラン問題をめぐる対応を協議した。オバマ大統領が制裁の効果を見極めるべきとしたのに対し、ネタニヤフ首相は軍事行動も辞さないという従来の姿勢を変えず、両国間の溝を埋めることはできなかった。
情報筋によると、ネタニヤフ首相は会談で、イスラエルがイラン核施設への攻撃をまだ決断していないと説明。一方で、イスラエルは自衛のために軍事行動に訴える権利を有しているとも主張したという。
米政府はイスラエルが数カ月以内にイラン攻撃に踏み切る可能性もあると懸念しているが、両首脳は会談の冒頭で、その点に関する意見の相違について触れなかった。
11月の大統領選を控えて共和党候補などから圧力を受けるオバマ大統領は、米国が最後の選択肢として軍事行動を排除していないことや、イスラエルを防衛することを確約。一方で、イランへの経済制裁や外交努力が機能するまで攻撃を自制するよう促した。
これに対し、ネタニヤフ首相は記者団を前に、イスラエルは「自国の防衛は自ら行う」と明言。「首相としての最大の責務は、イスラエルが自国の運命を自分たちで決められよう保証することだ」と述べた。
会談では具体的な結論は出なかったが、イランへの軍事攻撃に踏み切った場合の原油価格高騰や世界経済への影響のほか、中東地域での核競争に発展する可能性が協議されたという。(ロイター)>
<北朝鮮は李明博(イ・ミョンバク)大統領の名前が書かれた標的で射撃訓練を行うなど、最近になって韓国に対し激しくののしっているが、これについて国防部(省に相当)の金寛鎮(キム・グァンジン)長官は「これは武力挑発の前兆」と判断し、7日に延坪島の海兵隊を視察した。
金長官は「北朝鮮は最近、口での挑発はもちろん、歩兵の射撃訓練方法、金正恩(キム・ジョンウン)氏ら北朝鮮指導部による軍訪問回数の増加など、尋常でない動きを示しているが、これは北朝鮮で権力の継承がまだ不完全だということを示している」との見方を示した上で「北朝鮮は金正恩体制を早期に安定させ、不安定な要素を解消するために、徹底した計算の下、必ず挑発してくるだろう」と予想した。
金長官は「もし北朝鮮が挑発してくれば、攻撃拠点はもちろん、後方の支援部隊も完全に制圧するまで厳しく報復せよ」「哨戒艦『天安』爆沈、延坪島砲撃への報復という意味でも、強くかつ断固たる対応をしなければならない」「挑発を受けたら、敵の10倍砲撃せよ」などと述べた。
金長官が公式の席で北朝鮮に対し「復讐(ふくしゅう)」「屈服」「10倍の報復」といった強い表現を使うのは今回が初めてだ。これまで韓国軍の首脳は北朝鮮による挑発に対し「3倍の報復」を口にしてきた。金長官は昨年3月「撃つかどうかを先に聞くのではなく“先に対応して後から報告する”という原則に基づいて動け」と指示したが、今回はそれ以上に厳しい対応を求めたわけだ。
金長官の一連の発言は、李大統領が6日に緊急安全保障政策閣僚会議を招集した翌日に出た。この緊急会議は、最近になって李大統領が「北朝鮮の動向が尋常でない」と判断していることを受けて招集されたという。
仁川周辺で展開するある韓国軍部隊では故・金正日(キム・ジョンイル)総書記と金正恩氏を敵対視するスローガンが掲げられているが、北朝鮮は最近になってこれを問題視し、連日のように李大統領と金国防長官、鄭承兆(チョン・スンジョ)合同参謀本部議長を名指しして、非常に激しい口調で非難している。また、李大統領と金長官が描かれた標的を使い射撃訓練を行っていることも報じられた。
また、安保閣僚会議では「最近の北朝鮮による激しいののしりは、武力挑発の前兆になりかねない」との判断も下されたという。ある政府関係者は「金長官による前線訪問は“北朝鮮は危険な挑発をしてくる可能性がある”との判断に基づくもので、北朝鮮に対する強い警告のメッセージが込められている」と述べた。
この日、空軍のヘリで延坪島を訪問した金長官は、前線の観測所でブリーフィングを行った将校に「今、平壌では10万人を動員して群衆大会を行っているが、その理由は何だと思うか」と尋ねた。これに対して「内部での結束を固め、韓国をののしるため」との回答が出ると、金長官は「それは北朝鮮で権力の継承がまだ完全でないことを示している」と述べた。
金長官はこの日、厳しい表情で「一滴の血も流すことなく、平和を守ることはできない。国民を守るには、軍が犠牲にならなければならない」と強調した。(朝鮮日報)>
<【ワシントン古本陽荘】パネッタ米国防長官は7日、上院軍事委員会の公聴会で、シリアの反政府勢力を支援するための軍事介入について、「米国が単独で介入すれば過ちを犯すことになる」と述べ、米軍単独での介入を明確に否定した。さらに、「オバマ政権は軍事介入よりも、外交的、政治的な手法に集中しているところだ」と語り、慎重な姿勢を強調した。
パネッタ長官は、軍事介入が困難な理由について「誰が反政府側にいるのかよく分からない」と証言。「反政府グループと認識できた団体は100にも上る」と指摘した。こうした政府側の慎重姿勢について、野党・共和党のマケイン筆頭理事は「一体何人死んだら動くのか」などと批判したうえで、シリアへの空爆に踏み切るよう要求した。
また、制服組トップのデンプシー統合参謀本部議長は、オバマ大統領から、「状況の評価」について意見を求められていることを明らかにした。具体的な軍事作戦の検討を求めたものではなく、軍事介入した場合のリスクなどについて軍幹部の意向を聞く性格の指示とみられる。(毎日)>
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