9741 「弟は北朝鮮に拉致された」 古森義久

中国領内から北朝鮮に拉致されたことが強く疑われているアメリカ人留学生の長兄にインタビューしました。
〔ワシントン=古森義久〕中国で消息を絶ち、北朝鮮へと拉致されたと疑われる米国人留学生デービッド・スネドン氏の兄マイケル氏(53)は14日、産経新聞のインタビューに応じて、「日本側からの新情報で弟が北朝鮮に拉致されたと確信するにいたった」と述べ、こんご米国の政府と議会に強く働きかけていく意向を明らかにした。
デービッド氏は24歳だった2004年8月10日、中国雲南省シャングリラ県の観光名所の虎跳渓近くのユースホステルを出たまま行方不明となった。ユタ州在住のスネドン一家ではすぐに長兄のマイケル氏らが現地調査したが、米中両国当局とも現在にいたるまで消息不明としている。
マイケル氏は国際翻訳会社社長で現地には合計3回、出かけての調査結果を80ページの報告にまとめ、「デービッドは本人の意思に反して他者あるいは特定組織に拉致あるいは拘束された」との結論を出していた。
マイケル氏はこのインタビューでまず日本の「救う会」からの「米国人青年が同時期の同地で脱北者を支援していたと疑われ、中国の国家安全局に逮捕され、その後、北朝鮮側に引き渡された」という新情報について「私たちが現地で調べたときもこの地域が脱北者の東南アジア方面への秘密逃走路となり、北朝鮮関連の人間や事象の存在を強く感じており、今回の新情報で弟の北への拉致を確信するにいたった」と語った。
マイケル氏はその理由として――
①韓国留学経験のある弟は朝鮮語が流暢であり、北朝鮮に関心ある米国人と親しく交際し、脱北者支援をしていると誤解される要素があった
②シャングリラ県ではその数ヶ月前に北朝鮮の化学兵器開発に関与した科学者が脱北してきて中国当局に拘束され、本国送還された
③弟が最後に立ち寄った軽食堂は朝鮮人母娘が経営しており、北との関連もありうる
④北朝鮮では米国人のジェンキンス氏が解放された直後で新たな英語の教員役を必要としていた
⑤この軽食堂では中国語を話さないアジア系の若い女性が弟に同行しており、脱北支援への関与を連想させる
⑥事故で死亡とか中国当局に拘束のままという可能性も考え、徹底調査した結果、その可能性はほぼ完全に否定できる――ことなどを列挙した。
マイケル氏はさらに「北朝鮮の外国人拉致はすでに実証された非人道的な行動であり、米国と日本が緊密に連帯し、国際犯罪として追及し、デービッドや他の被害者を救出したい」と強調した。
杜父魚文庫

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