10478 自民総裁選 谷垣票の多くが石破氏に流れる  古沢襄

党内の派閥レベルでみれば、総裁選での議員票は石原伸晃幹事長が圧倒的に優位に立つかにみえる。だが、子細にみると、谷垣禎一総裁を押しのける形で出馬したことで、「謀反」のイメージも浸透しつつあるから、必ずしも石原優位とはいえない。
谷垣氏は誰を推すか明かしていないが、側近議員は「谷垣氏は、石原氏より石破氏の方を評価している」と指摘、谷垣支持票が石破氏に流れる可能性を示唆したという。
地方の党員票は石破氏が優位という見方も流れている。
<自民党の石原伸晃幹事長が11日、有力候補の一角として総裁選への参戦を表明した。派閥の重鎮らが目をかける石原氏は、「長老支配」批判に直面。谷垣禎一総裁を押しのける形で出馬したことで、「謀反」のイメージも浸透しつつある。最大5人の争いを勝ち抜くことができるか、風向きは読めない状況だ。
「谷垣氏は次の世代にバトンを託したいと話していた。老壮青の団結なくしてこの国の未来はない」。谷垣氏より一回り若い55歳の石原氏は出馬会見で、自らを世代交代の担い手と位置付けた。演台の隣には無派閥の菅原一秀、麻生派の井上信治両衆院議員ら、自身を支持するグループの若手を立たせ、「清新さ」を演出した。
これに先立ち、石原氏の出身派閥である山崎派は、結束して石原氏を支持することを確認。政界を引退した青木幹雄元参院議員会長がなお影響力を持つ額賀派も12日に支持を決める見通しで、派閥レベルでの支持固めは着々と進む。
石原氏は、最大派閥・町村派のオーナー的存在である森喜朗元首相との関係も良好だ。同派会長の町村信孝元官房長官を推す議員の一人は、石原氏と石破茂前政調会長による決選投票となった場合を念頭に「町村、古賀、額賀の3派連合ができれば、石原氏は強い。山崎、伊吹両派や無派閥を加えれば、国会議員票の過半数に達する」とそろばんをはじく。
これに対し、脱派閥を前面に出す石破氏は11日、記者団に「政策(の相違)はよく分からないが、権力を取るため合従連衡するというなら、あるべき政治のスタイルとは違う」と語り、派閥主導の多数派工作をけん制。ある中堅も「石原氏の後ろにいる連中は何歳なんだ。言いなりになるのは目に見えている」と語った。
谷垣氏側とのしこりも石原氏にとって懸念材料だ。2日の講演で「谷垣氏を支えるために政治をやっているのでは決してない」と発言し、円満な禅譲に失敗。織田信長に背いた明智光秀のレッテルが定着してしまったからだ。
「谷垣氏が出ないからと言って、うれしそうな顔をするな」。10日夜の選対会議でベテラン議員からくぎを刺された石原氏。出馬会見では、社会保障と税の一体改革に関する民主、自民、公明の3党合意堅持など、「谷垣路線」の継承を硬い表情で繰り返した。
その谷垣氏は10日夜、支持議員との会合で「自分が降りた方が石原氏にとっては良くない」と、内なる怒りをのぞかせたという。谷垣氏は誰を推すか明かしていないが、側近議員は「谷垣氏は、石原氏より石破氏の方を評価している」と指摘、谷垣支持票が石破氏に流れる可能性を示唆した。(時事)
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