キッシンジャーが米国ウッドロー・ウィルソン・センターで講演。
「米国は尖閣に介入してこなかったし、これからも介入しない」とキッシンジャー元国務長官は10月3日、ワシントンのウッドロー・ウィルソン・センタで講演した。
時期的に言えば、米国と中国のマスコミのもっぱらの関心事は米大統領選挙でオバマとロムニーが互いに中国を激しく攻撃しているから、米中関係はがたがたになるのかとの懸念の拡がりが背景にある。
キッシンジャーは言った。「米中関係はおたがいに覇権を求めず、平和共存が目的」。
さすがに親中派の大物にして、ニクソン政権下で北京を秘密訪問しただけあり、米国保守派の考え方や議論の立て方とはおおきな距離がある。
キッシンジャーは沖縄密約の当事者であり、沖縄返還の条件は有事の核持ち込みと繊維交渉のおける妥協だった。返還される沖縄の管轄権には尖閣諸島が含まれると解釈された。
キッシンジャーは89年の天安門事件で中国が世界に孤立したときも、弟子のスコウクラフト(当時の大統領補佐官)を秘密裏に訪中させたブッシュ大統領の外交顧問役でもあり、その後に自ら訪中して、米中間の関係改善に貢献した。
このため中国からは「87歳のキッシンジャー氏は中国人民の古きよき友人」と高い評価を受けてきた。
杜父魚文庫
10668 「米中関係は揺るぎなく、尖閣密約はない」 宮崎正弘
宮崎正弘
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