<15日の平成25年度予算成立を受け、与野党は夏の参院選に向けた準備を本格化させる。7月4日公示・同21日投開票が有力だが、消えては浮かぶのが衆参同日の「ダブル選」だ。安倍晋三首相が一気に衆参のねじれを解消して本格政権を構築するのか。同日選をめぐる憶測が永田町を駆け巡っている。(酒井充)
首相は15日夜、予算成立について「円滑な実施を心がけ、全国津々浦々に届けたい。経済が良くなってきたと実感していただける状況をつくりたい」と述べた。
これに先立って同日、都内で開かれた父の故晋太郎元外相をしのぶ会に出席した首相は「これに勝たなければ日本を取り戻すことにならない」と参院選への意気込みを語った。
同日選の理屈は、こうだ。昨年12月の衆院選は、最高裁が小選挙区の「一票の格差」を違憲状態と指摘したまま行われた。格差を是正した上で解散に踏み切り、衆参両院で過半数を獲得。正当性を得て憲法改正を目指す-というものだ。野党は参院選の選挙区候補さえ出そろっていない。同日選になれば、野党は壊滅する危機さえある。
別のメリットもある。昨年の衆院選は民主党批判の受け皿としての自民党大勝だった。もう一度衆院選で勝てば安倍政権への信任となる。解散しなくても野党を揺さぶるには十分だ。
首相も、その効用を意識しているようだ。10日のみのもんた氏との会食では「(夏は)参院選(だけ)じゃないですかね」と答えたが、12日は記者団に「衆院選は適時適切に決断していく」と軌道修正した。
同日選には、格差是正の「0増5減」の区割りを定めた公職選挙法改正案の成立がハードルとなるが、理論上は不可能ではない。
今国会の閉会日は6月26日。参院議員の任期満了は7月28日で、同日まで会期を延長できる。その場合、公選法の規定で最も遅い投開票日(日曜日)は8月25日。同日選なら衆院選の公示は8月13日が有力だ。衆院での「0増5減」の再可決は6月23日以降に可能で、1カ月の周知期間を考えても同日選に間に合う。
ただ、8月に参院選を実施した例はない。前回の衆院選から1年以内に解散したのも現憲法下で2回だけで、首相が同日選にこだわれば、「あざとい」との批判を受ける恐れもある。
6月の都議選を重視する公明党にとっても、同日選が加わった前代未聞の「トリプル選」は、組織力が分散されるため避けたい事態。石井啓一政調会長は15日の記者会見で同日選について「対応も全く考えていない」と顔を曇らせた。
だが、自民党が野党だった昨年5月、首相は産経新聞のインタビューで「憲法96条の改正は次期衆院選で正面に掲げるべきだ。それによって衆参同日選挙になっても構いませんよ」と語っていた。首相は21日から4回に分けて当選1回の自民党衆院議員と公邸で昼食会を開催する。果たしてどんな激励となるか-。(産経)>
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12672 永田町にくすぶる「衆参ダブル選」 古澤襄
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