15122 公明、集団的自衛権で正念場   古沢襄

■安倍首相との衝突不可避
自公連立が維持されてきた理由はふたつある。ひとつは小選挙区のもとで、一選挙区で二万から三万あるといわれる創価学会票を自民党候補がアテにしてきた事情がある。自民、民主両党がツバ競り合いしてきた時代には、自公連立を維持する理由があったろうが、民主党が凋落してしまった現在は連立の意義は薄れている。
もうひとつは、公明党が政権党の一角を占めたい”与党念願”の志向が強い事情が存在することだ。与党という甘い蜜は捨て切れない。
それは、それで政治の力学であっていい妥協であろう。
しかし、集団的自衛権の行使容認という政策課題では生半可な妥協は許されない。「純粋平和主義」を掲げてきた公明党にとって、政権与党の立場を捨てる選択肢しかないのではなかろうか。
自民党はみんなの党や維新の会・石原グループとの連携を模索する必要がある。もともとが自民党から出た両グループだから選挙区調整も困難ではない。
政界再編成は野党だけでなく与党も迫られている。政策的には、その方がスッキリするのはないか。
<公明党は今年、安倍政権の重要政策への対応で正念場を迎える。最大の焦点は、安倍晋三首相が意欲を示す集団的自衛権の行使容認に向けた憲法解釈の変更だ。
「平和主義」を掲げる同党は一貫して反対しており、調整が具体化すれば衝突は避けられない。主張が無視されれば政権内での存在意義まで問われかねず、党内には危機感が漂う。
公明党の山口那津男代表は5日、成田空港で記者団に、憲法解釈変更に関し「内外、同盟国や近隣諸国、日本国民にどのような影響が及んでいくのか、深く広く慎重に検討していく必要がある」と語った。
首相が設置した政府の有識者会議は、3月末にも2014年度予算案が成立するのを待って、憲法解釈を変更すべきだとする報告書をまとめる。これを受け、政府・与党内の調整がスタートするとみられるが、着地点は見通せない。
公明党は、海外での武力行使を禁じている憲法9条の規定は堅持すべきだとの立場で、集団的自衛権行使について「『自衛のための必要最小限度を超えるもので認められない』との従来の政府解釈は妥当」と主張。解釈変更による行使容認を目指す首相とは真っ向から対立する。
党内には、「個別的自衛権の概念を拡大すれば、公海上での米艦防護などは対応可能」との理屈で、首相との妥協を探るべきだとの声もある。しかし、首相のこれまでの発言や政府有識者会議の議論の経緯から、首相があくまで集団的自衛権の行使容認を譲らない可能性は高い。
首相が山口代表の要請にもかかわらず、靖国神社を参拝したことも、同党にとっては不安材料だ。党幹部は「こちらがいくら駄目だと言っても首相はやるときはやるということだ」と悲観せざるを得ない。何らなすところなく押し切られれば、首相の「右傾化」に対する「ブレーキ役」を自任した同党の面目は丸つぶれとなる。
「党の根幹を曲げてまで連立にとどまる理由はない」。党幹部は連立離脱をちらつかせて首相をけん制するが、ひとたび野に下れば失うものも計り知れない。理念を重視するか、与党にとどまる利を取るか。公明党は重大な判断を迫られそうだ。(時事)>
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