15904 大手マスコミが報じないオバマ訪日の成果   古森義久

<オバマ訪日は一体、日本になにをもたらしたのか。大手のニュース・メディアが報じない部分に光をあててみました。
■国防 キーワードは「拡大抑止」と「特定秘密保護」、オバマ訪日の隠れた成果を総括する
米国のオバマ大統領の日本来訪が内外をにぎわせた。さて、この訪日の日本にとっての意味とはなんだったのか。
総括として、安倍晋三首相が就任以来進めてきた一連の安全保障政策に対して、米国側が評価と賛同を表明したことは、やはり大きな成果と言えるだろう。その結果、日米同盟はより堅固になり、中国への抑止が高まったようにも見える。
だがその一方、米国の尖閣諸島への日米安保条約の適用姿勢が“自動的な防衛行動”だと見なしてはならないことも確実のようである。
今回はオバマ訪日の総括として、特に日本の大手の新聞やテレビがまず取り上げていない点を2つほど指摘しよう。
■日本に対する「核の脅し」に米国が立ちはだかる
4月25日に発表された日米共同声明で驚かされたのは、第一に日米両国が「米国の拡大抑止の重要性」を再確認したことだった。ここで言う拡大抑止とは、「核抑止」の効果を拡大して適用することを指す。
核抑止とは、核兵器の威力によって相手の軍事的な恫喝や攻撃を抑え込むという軍事戦略を指す。核抑止は核兵器を保有する国家同士で機能する場合が多い。ある国が他の国に対して非核でも核でも軍事攻撃をかける、あるいは、かけるぞと脅す。
すると標的となった国が、もしそんな動きをとるならば、こちら も核兵器を使って報復するぞという能力や意思を示す。相手はその核の威力を恐れて、当初考えていた攻撃や威嚇を差し控える。お互いが核による大量破壊を恐れ、そもそもの核兵器の使用を抑制するようになる。このメカニズムが核抑止である。
米国の場合、自国の防衛のために核兵器の威力を示すのが通常の核抑止であり、日本のような同盟国の防衛のためにその核抑止を使うことが拡大抑止となる。核抑止が、自国の防衛から同盟国である他国の防衛にも拡大して適用されるというわけだ。この拡大抑止は「核の傘」とも呼ばれる。日米同盟では米国の 「核の傘」が日本にも供されている。(つづく)>
杜父魚文庫

コメント

  1. 経済戦士 神 龍太 より:

    オバマ外交は、もはや自国の内政問題に限ってきています。雇用・財政赤字問題です。最近、アメリカは、東海村の核廃棄物・・・ウラン・プルトニウム高純度400キロを、テロの危険性があると、差し出させました。これは、日本が核ミサイルを、独自開発させないとする、いわゆる・・・刀狩りであります。中国の差し金とも思われます。北朝鮮の小型核ミサイル・・・ノドンの生産を進んでいます。日本が、核恫喝される日が、迫っております。日本独自の国防構築が求められます。
    アメリカのオバマ政権は、日本を護ることは真剣には考えては折りません。尖閣にしろ、自衛隊が動かねば、アメリカは出動しない法案になっています。日本の危機です。

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