英国で7日に行われる総選挙は、キャメロン首相率いる与党・保守党と野党・労働党が第1党の座をめぐって接戦を演じるとみられている。今回の総選挙の論点を5つとりあげよう。
1.EU残留問題
キャメロン首相は、2017年に英国の欧州連合(EU)残留の是非を問う国民投票を実施すると公約している。
キャメロン氏は、英国とEUとの関係を見直し、脱退も考えるべきだとする党内の圧力を受けて、国民に残留か脱退かの選択権を与えると表明した。
反対派は、国民投票はその結果に関係なく、経済に不安定をもたらし、脱退ということになれば、英国の経済や世界的な地位に悪影響を及ぼすと警告する。
2.移民問題
英国では移民問題をめぐる議論が熱を帯びてきている。過去20年間に移民がかつてないほど急増し、住宅や医療などの公的サービスを圧迫しているとの懸念が広がっている。
保守・労働両党とも、総選挙後に国境警備の強化のための新規則の導入を約束している。保守党は、移民に対する一部社会福祉の4年間の提供制限を唱え、労働党は社会福祉手当の2年間の支給停止を掲げている。
3.政府の安定
世論調査からみると、保守、労働のいずれの党も議席の過半数を制することができず、「ハングパーラメント(宙づり議会)」になりそうだ。
そうなれば、いずれかの党が連立政権を形成するか、少数政党の閣外協力を得て少数与党内閣を発足させざるを得なくなる。
英国は、他の欧州諸国と違い連立政権の下での政治には慣れていない。2010年の前回総選挙で保守党が自由党と連立を組み、平時においては1930年代以来の連立政権が誕生した。
4.財政赤字の削減
総選挙に勝った政党が、依然大規模な財政赤字の削減のペースや規模を決めることになる。それは、英国民が享受する公的サービスだけでなく、金融市場にも影響を与える可能性がある。
両党とも財政均衡化の必要性では一致しているが、保守党は均衡化を労働党よりも前倒しで実現させると主張している。一部小政党は緊縮財政に全面反対している。
5.権限委譲
次期政権にとってもう1つのやっかいな問題は、高まる地方政府への権限委譲の要求にどう対応するかである。
スコットランド民族党(SNP)は、昨年のスコットランド独立をめぐる住民投票に敗れたものの、支持率は拡大を続けている。SNPは地方政府への税制、社会福祉、雇用政策などの権限委譲を訴えている。SNPの躍進に触発されて、ウェールズ地域政党のプライド・カムリは同地方向け予算拡大を求めている。(米ウオールストリートジャーナル)
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