自民党の山崎拓・前副総裁と加藤紘一・元幹事長が連休を利用して中朝国境の延吉市を視察したのは、思惑は別として、それなりに意味があることだと率直に認めたい。国際情勢が激動の気配をみせている現在、日本の政治家には休日はない筈である。
だが延吉市まで出掛けて「夏の参院選で与党が過半数割れしたら、安倍首相が責任を感じて辞めるか、辞めないかは本人の判断だが、党五役は一斉退陣だ」とヤマタクがわざわざ吠える必要があるのだろうか。この地で言うことは別にある。それが出来ない政治家はお粗末と言わざるを得ない。中朝国境まで出掛けていって恥を曝す必要はない。
せめて「北朝鮮が一日にも早く六カ国協議のテーブルに戻るべきだ」と鴨緑江の彼方に呼びかけるぐらいのパフォーマンスがほしい。国内政治のことは、日本国内に戻ってから気のすむまで吠えればいい。それをしないのは、どこか方向感覚が狂っている。しょせんは田舎の村会議員レベルの感覚ではないか。
サウジ訪問中の安倍首相には、日本から経済界トップらが多数参加した。現地でサウジの経済界と経済サミナーを開いて、これまでの石油を中心とした関係を超え、重層的な経済関係を模索している。石油欲しさに中東詣でをする時代は去った。中国と争って石油を買いあさる愚かさは避けるべきである。
日本が持つ先端技術、省エネ技術などは、石油枯渇を怖れる中東産油国にとって魅力がある。その面で日本が協力を惜しまなければ、日本と中東の新しい時代が開けてくる。多層的な経済関係は、中東産油国にとっても必要なことである。
これは参院選で勝つとか、負けるとかいう近視眼的な視野の問題ではない。安倍内閣が続くとか、短期政権で終わるという問題を越えて、日本が取り組むべき長期的な政策課題である。それに日本の政財界はチャレンジしようとしている。
国民はバカではない。同じ時期に延吉市で季節外れの政局占いしか出来なかったヤマタク発言と、サウジにおける安倍首相や経済界の取り組みと、どちらを選ぶだろうか。答えは明白である。
アブダビを訪問し安倍首相は、テロ対策特別措置法に基づく洋上補給活動で活躍している海上自衛隊の部隊を訪問し、栄誉礼を受けて閲兵している。最高指揮官として当然のことだが、同行取材をしている阿比留瑠比記者は、安倍首相の訓辞を次ぎにように伝えてきた。
「これから約四カ月間の活動となりますが、すでに一名の隊員のお子さんが誕生し、活動期間中には三名の隊員のお子さんが誕生する予定であると聞いています。任務中は、お子さんに会うことはできないと思います。無事帰国して、誕生したお子さんをしっかり抱き上げてやってください。そして、将来、お父さんのインド洋での生き様を話してあげてください」・・・血の通った訓辞ではないか。
536 血の通った最高指揮官の訓辞 古沢襄
未分類
コメント