日曜日にNHKとフジテレビから二つのニュースが出たが、その背景を考えてみる必要がある。西松建設の違法献金容疑は評論家や政党人から様々な発言が行われている。だが群盲が象を撫でている観が否めない。小沢代表の公設第一秘書が逮捕されたが、この事件がどのような広がりをみせるのか、ガードが固い東京地検特捜部の調べの内容が分からないからである。
その中で民主党の鳩山幹事長はNHK番組で24日に大久保容疑者の拘置期限を迎えるが、起訴あるいは再逮捕があっても小沢代表が辞任することはあり得ないと述べた。党内の動揺を抑える意味で当然の発言であろう。
しかし党内からは仙谷由人元政調会長から小沢氏を厳しく批判し、代表交代を求める声がでている。現状のまま四月解散、五月総選挙となれば民主党を受け身の選挙にならざるを得ない。これも正論である。
大久保容疑者の起訴内容をみてからでも遅くない鳩山発言だったのではないか。公判で検察側は起訴の冒頭陳述を行うが、選挙前に容疑内容が詳しく検察側から明らかにされれば、民主党に不利に作用する。鳩山幹事長はそれを承知している筈である。
思い過ごしかもしれないが、民主党は四月解散、五月総選挙を避けて、冷却期間を置いた八月選挙の戦術転換を図るのではないか。それまでに自民党にとって不利な材料が飛び出す可能性がなしといえない。
フジテレビで河村官房長官は西松建設の違法献金事件で「自民党議員には波及しない」と発言した政府高官は、元警察庁長官・漆間官房副長官だと明らかにした。政府高官と検察の間に何らかの意志疎通があったと疑う民主党に攻撃の材料を与えたことになる。
民主党は週明けにも衆院予算委員会に漆間官房副長官を参考人として喚問することにしている。河村官房長官は漆間官房副長官に対して不適切な発言として厳重注意した。政府高官を庇うのではなく、国会喚問に応じて早期に幕引きをしたいということであろう。
週明けには西松建設の関連政治団体から多額の献金を受けていた二階経済産業相の事務責任者から東京地検特捜部は事情聴取をすることになった。事情聴取が強制捜査に発展すれば二階経済産業相の辞職は避けられないという見方もある。
事件は民主党から自民党に飛び火する様相を示している。麻生政権に与えるダメージも無視し得ない。自民党にとっても四月解散、五月総選挙はリスクが高い選択となる。二つのニュースは自民、民主両党とも冷却期間を置いた八月総選挙に向いているのを感じさせる。
<民主党の鳩山由紀夫幹事長は8日午前のNHK番組で、西松建設の巨額献金事件をめぐる小沢一郎代表の責任論について「新たな事実が判明すれば、新たな展開になる」と述べ、捜査に新たな展開があれば進退問題に発展する可能性を指摘した。
一方、逮捕された小沢氏の公設第1秘書が起訴された時点での辞任については「起訴されただけで罪が明らかになったわけではない」と慎重な見方を示した。(共同)>
<河村建夫官房長官は8日朝のフジテレビの報道番組で、西松建設の違法献金事件で、「自民党議員には波及しない」と発言した政府高官は、元警察庁長官で事務方トップの漆間巌官房副長官だと明らかにした。民主党は国会で発言者の特定を目指す姿勢を示しており、政府側から公表することで早期の幕引きを図った。
河村氏によると、漆間氏は「記者との懇談の場で聞かれた。特定の議員への影響や捜査の帰すうに関するような説明をした覚えはない」と、一般論だったと説明したという。ただ、河村氏は、漆間氏が警察官僚出身なことから、「極めて不適切で、誤解を招く発言だった」として厳重注意にした。
漆間氏は5日、首相官邸で定例の懇談で「この件で自民党の方までやることはないと思う」と、自民党議員に捜査は拡大しないとの認識を示した。懇談は、発言内容にニュース性があると判断すれば、名前を伏せて報道できるルールになっていた。毎日新聞も加盟する内閣記者会は7日夜、漆間氏に名前を公表するよう求めたが、「オフレコ扱いのものを、さかのぼってオン(公表)にすることはありえない」と拒否された。(毎日)>
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