5623 口蹄疫の感染経路は中国か、韓国か? 宮崎正弘

新彊ウィグル自治区の経済発展をめぐって政治局トップ9人が集合。共産革命政権成立後、初めての異常事態が発生した。
2010年5月17日から19日の三日間、北京では中国共産党の最高指導者九人があつまって、「新彊ウィグル自治区の経済発展をいかにするべきか」を話し合った(「新彊工作座談会」という)。
胡錦涛主席、呉邦国(全人代常任委員長)、温家宝首相、賈慶林・政商主席、習近平・副主席、李克強副首相ら常任委員全員集合は珍しい。とくに上海万博開幕式さえ欠席した温家宝首相も出席した。 
新彊ウィグル自治区の長期的安定と経済発展をいかにして達成するか、会議は前自治区書記の王楽泉を事実上更迭したのちに開催されたものだが、革命以来、党トップ全員が雁首をそろえて新彊問題を話し合ったのは初めてのこと。
それほどイスラム圏の扱い方が深刻な様相を帯びており、異様な事態が出現している証拠なのだ。
共産党政治局常務委員9名全員に加えて、国務院の関連各部署委員、各省、市、県の行政の長(おさ)、責任者ならびに新彊ウィグル自治区の行政単位すべての党委書記らが参加した(多維新聞網、21日付け)。
新華社の報道によれば「2020年までに貧困を絶滅し、民主的繁栄を築く」というすこぶる大業な目的が謳われたそうな。
胡錦涛は席上、「各民族、各宗教と融和を図り、社会管理体制を健全化して、治安を確立することが、分裂を策動する運動に打撃をあたえ、人民が安定し平和を教授できる」と強調した。
▲新しい新彊のボスはインターネット派
日々険悪化する少数民族対立、社会的騒擾を前に温家宝執行部はウィグル自治区への経済投資を強め、経済力を高めれば問題解決に繋がるという錯誤を抱いている。GDP成長だけでウィグルの反漢族感情をおさえることは不可能であろうに。
しかし共産党は税の軽減措置、開発特区の新説と輸出振興のための加工地区建設、国際ショッピング・モールの建設などを提唱している。
アジア・タイムズに拠れば、この提言の作成に前書記の王楽泉が加わっているとされ、共産党中央は彼の新彊での「二十年にわたる安定への貢献」を褒め称え、習近平を派遣して代読させたという(同紙、5月19日付け)。
じつは四月に王楽泉は党中央との話し合いを開き、五月勇退を渋々承認し、この発表をウルムチまで飛んできた習金平が行ったのも特例の異常事態で、代役は湖南省書記をつとめてきた張春賢とかわったことはすでに小誌でも報じた。王楽泉は政治局員でもあり、左遷というイメージを避ける配慮がなされた。
新彊ウィグル自治区党書記となった張春賢はエンジニア出身で交通部長をつとめ、2005年から湖南省党書記。ウルムチに着任するや「インターネットによる世評を重視する」トップとして注目され、香港ジャーナリストに拠れば「中国の中でもっともネット世論に敏感な政治家」という。張春賢は57歳。河南省出身で政治局員である。
      
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(読者の声)貴誌2972号に掲載の『人民日報』の記事への所感です。貴誌がいつ口蹄疫について触れるかと気にしていましたが、今回の紹介で腑に落ちました。感染経路の聞き取り調査をすることになったようですが、中国か、韓国からでしょう。
さりながら赤松農水相がどこまで本気で追及する気があるのか、大いに疑問です。ご指摘通り危機管理意識が現在の政治指導をいう政権に全く無いことが、口蹄疫問題の発症から一カ月余、よくわかりました。東国原知事も骨身に沁みていると思います。
一事が万事。言いたくはないですが、米軍基地のおかげで中枢に危機管理意識が無くても日本社会の安全は基本的に保障されています。(SJ生)。
(宮崎正弘のコメント)という悲しむべき現実。日本を蔽う、このニヒリズムの原因は何でしょう。そこに小生はもっとも関心が惹かれますね。
昨日の三島研究会公開講座の講師、古田博司(つくば大学教授)は「鳩山さんは陽気なニヒリスト」と比喩されましたが・・・。
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