19477 南シナ海・人工軍事島は21世紀の「鉄のカーテン」だ   古沢襄

■オバマはトルーマンになれるか

 
月刊正論8月号に出た湯浅博氏(産経新聞元ワシントン支局長)の論評。同氏の主著には『アジアが日本を見捨てる日』(PHP研究所)、『吉田茂の軍事顧問辰巳栄一』(産経新聞出版)、『覇権国家の正体』(海竜社)など。

■安倍首相が演説すべきだったもう一つの場所

もちろん、4月末に訪米した安倍晋三首相の米上下両院合同会議での演説は、申し分のないものであった。これほど未来志向でウィットに富み、聞かせどころ満載のわが国指導者の英語演説は、過去に聞いたこともなかった。

それでも一点だけ、この訪米期間中にぜひ訪問してもらい町があった。首相がワシントン訪問前に訪ねた東部のボストンでも、訪問後の西部シリコンバレーでもない。中西部のトウモロコシ畑に囲まれた小さな田舎町、ミズーリ州フルトンである。

戦後まもない1946年3月、英国のチャーチル元首相が、この町のウェストミンスター大学で史上有名な「鉄のカーテン」演説をしている。

チャーチルはソ連の台頭によって共産主義圏と自由主義圏が分断される形で、欧州大陸を横切る「鉄のカーテンが下ろされた」と来るべき冷戦の始まりを告げたのだ。それまで、一緒に日独と戦ったソ連が、戦争終結したとたんに東欧に勢力圏の拡大をはじめたからである。

チャーチルはこの演説で、ソ連に対抗して米英が同盟関係を強化すれば、「ヨーロッパの勢力均衡が崩れて不安定になることが避けられる」と、新たな危機への抑止戦略を描いた。

ちょうど同じ頃、米国務省にはモスクワの駐ソ代理大使のジョージ・ケナンから、ソ連の西側への敵意が共産主義イデオロギーと伝統的な拡張主義によるものであるとする約8000字の「長文電報」が届いていた。

チャーチルはこれを巧みなレトリックを使い、米英同盟によって事態は克服できると新たな対ソ戦略を提示したのである。

さて、時計の針を現代に戻して、米英同盟を日米同盟に、ソ連を中国に置き換えると、安倍首相がチャーチルのようにフルトンで演説する意味が浮かんでくるだろう。海洋アジアで膨張する中国に対抗し、日米同盟を軸にアジアを結束させることが「アジアの勢力均衡」を図る道であることを鮮明にする。

畏れ多いアナロジーで恐縮だが、チャーチルがトルーマンに対ソ戦略を打ち出したように、安倍首相はフルトンの地からオバマ大統領と米国民に効果的な注意喚起ができただろう。フルトンではその後も、サッチャー英首相やゴルバチョフソ連大統領が、この地で演説をした象徴的な場所なのだ。

■『100年のマラソン』は冷戦を警告した「X論文」中国版

では、米国内で当時のトルーマン政権に対して、対ソ戦略の理論的な裏付けを提供した戦略家ケナンのような人物は、いまのワシントンにはいないのだろうか。

ケナンはモスクワから長文電報を発した翌1947年、外交誌『フォーリン・アフェアーズ』に、筆者「X」として有名な論文「ソ連の行動の源泉」を書いて、直接、米国民に対ソ冷戦への覚悟を訴えた。世にいう「X論文」である。

実は、中国への警戒論が高まるワシントンでいま、一冊の書物が「X論文」のような衝撃をもって迎えられている。

中国問題の第一人者、マイケル・ピルズベリー氏(ハドソン研究所中国戦略センター長)の『100年マラソン--超大国・米国に取って代わる中国の秘密戦略』(The Hundred-Year Marathon : China’s Secret strategy to Replace America as the Global Superpower)である。

ピルズベリー氏といえば、2006年ごろまでは対中関与政策を支持する「協調派の中心人物」で知られていた。その彼が「中国に騙され、対中認識は間違っていた」と激白し、対中協調派を意味する「パンダ・ハガー」の衣を脱ぎ捨てることさえ強調した。

そして、中国が「平和的な発展」「中国の夢」というスローガンの陰で、むしろ米国主導の世界秩序を覆そうとしていることを具体的に論証したのである。

この本がワシントンで、安全保障や中国専門家の間で熱い議論の的になっているのは、ピルズベリー氏自身も含め中国に対する「五つの誤った仮説」にとらわれすぎていたと断言しているからである。

米国の中国専門家たちはこれまで、・建設的な対中関与は協力をもたらす・中国は民主主義へと向かう・日米欧の犠牲となったか弱い国・中国は米国のようになりたいと願っている・中国の強硬派は弱体化している-と考えていた。だがピルズベリー氏は、これらがすべて幻想であったと結論づける。

ピルズベリー氏はある極秘文書を入手し、共産党指導部に影響力をもつ強硬派が、米国を初めから「帝国主義者の敵」であると見てきたことを明らかにした。

しかも、彼らは建国から100年目の2049年までに経済、軍事、政治のすべての面で、米国に代わって世界の支配者になることを目指している。中国は公式には多極化世界の実現を主張しているものの、最終的に中国が世界の指導国にいたる途中段階という位置づけである。

その強硬派の戦略家たちは、中国を世界の国内総生産(GDP)の3分の1を占めていた300年前の時代への復活を目指していると、ピルズベリー氏は指摘する。とりわけ、血塗られた天安門事件を経て、彼らは中国内部で穏健派との論争にうち勝ち、その一人は習近平主席に影響力をもった。ここが重要な点である。

いまや、習主席周辺の強硬派は「49年目標」を隠そうともせず、そのプロセスを「100年マラソン」と呼んでいる。

彼らは北京指導部に対し、米国が中国の共産党体制を骨抜きにして、国際秩序に従属的に参加させようとしていると吹き込む。

そのうえで、北京は「米国の関与政策の誘いに従うふりをしながら、国力を強めて米国の覇権を奪い、中国主導の秩序を築く」ことを長期戦略として推進した。目標が正義になると、どんな悪辣な手段も正当化される。「愛国無罪」がまかり通る世界だ。

■南シナ海の人工・軍事島は「鉄のカーテン」だ

ピルズベリー氏のいわば・対中X論文・によって見えてくるのは、中国のあくなき海洋アジアへの膨張である。習近平氏のスローガンにいう「中華民族の夢」とは、西洋や日本から受けた恥辱の一世紀が終わりを告げ、建国百年の夢の実現を目指すことをいう。

彼らには「国境」という概念が薄いうえに、膨張する中華帝国は遠く「辺境」へと統治の範囲を拡大していく。陸の辺境はチベット、ウイグルであり、海の辺境は東シナ海や南シナ海の島や岩礁を指すのであろう。同時に、台頭する挑戦者はいつも辺境に手を出し、敵の同盟の強さを確かめるものである。

南シナ海の岩礁の拡張工事は、2013年に習近平氏が国家主席に就任してから始まっていることに留意しておきたい。

東シナ海の尖閣諸島周辺で中国による挑戦に焦点があたるなか、彼らは南シナ海では密かに埋め立て工事を進めていた。その延長として5月末発表の中国国防白書は、「軍事抗争への準備」という威嚇によって、私たちを300年前の帝国主義時代に引き戻す。彼らは日米同盟を冷戦の遺物と攻撃するが、中国の回帰は単位が違う。

国防白書はこの説明に1章を割き、将来に予測される東、南シナ海での軍事衝突の準備を説いている。

だが白書の内容に踏み込めば、多くの虚偽に満ちていることに気づくだろう。「中国は覇権や拡張を求めない」といいながら岩礁に軍事基地をつくり、「宇宙の武装化と軍備競争に反対」といいながら衛星破壊実験でゴミをまき散らす。

そして、「核軍拡競争には入らない」といいながら核保有国の中で唯一中国だけが核軍拡を行っているのが実態である。国家基本問題研究所の太田文雄企画委員は、中国軍の言行不一致を「兵は詭道なり」(孫子)という騙しの伝統にあるとみて注意を促す。

この白書を前触れとして、シンガポールで開催されたアジア安全保障会議(シャングリラ対話)から伝えられた中国の振る舞いは、これらの野心を裏書きするかのようであった。中国はすでに、南シナ海で7つの岩礁を埋め立てて要塞化し、このうちのフィアリー・クロス礁では3000メートル級の滑走路を持つ人工島を築いている。

中国軍副参謀総長の孫建国海軍上将は、これら人工島建設の目的を「軍事防衛の必要を満たすため」であるとして、軍事目的であることを初めて認めた。

一般的に2000メートル滑走路があれば乗員乗客380人のB777-200が就航でき、中国が建設する3000メートル以上であればジャンボ級が運行可能な大滑走路といえる。軍用機なら離着陸が楽々出来るから文字通り「浮沈空母」が南シナ海の真ん中に出現したことになる。

長大な埋め立て滑走路により、南シナ海の全域が中国空軍機の活動範囲になるだろう。ドックと滑走路により中国軍は補給のため本土に戻ることなく南シナ海全域で海空軍のプレゼンスを維持できるからである。

東シナ海と同じように中国の防空識別圏が設定されれば、飛行の自由と航行の自由が侵されることになる。南シナ海の八割を自国領土と主張する「九段線」に沿って、「鉄のカーテン」を下ろすかのようではあるまいか。

孫上将はこの埋め立ての「即刻中止」を求める米国や豪州に、「自らの主観に基づく無責任な発言をするのは控えよ」と突き放し、領有権を争うベトナムやフィリピンには「小国は挑発的な行為をとるべきでない」と大国主義を振り回した。

香港の中立系紙・明報は一日付で、この埋め立てについてコラムニストの孫嘉業氏による興味深い論評を掲載した。

いくら米国が「領海を認めない」と宣言したところで、もはや「原状回復はできるはずもない」と高をくくる。孫氏はやがて批判の声もおさまったところで、米中戦略経済対話を開き、経済に話を戻して収束を狙う、と書いていた。オバマ政権もなめられたものである。

しかし、米紙ウォールストリート・ジャーナルは、中国の度重なる「力による現状変更」の挑戦が、否応なく米国の戦略的思考を変えつつあると報じていた。

中国の一方的な海洋支配への試みから、米国の政策当局者、米国議会、安全保障専門家、ビジネスリーダー、そして有権者の意識まで硬化させている。ピルズベリー氏の『100年マラソン』は、その背後にある政治的な意図を解き明かし、新たな対中抑止戦略が必要なことを提起していたのである。

■ペンタゴン周辺は闘志満々

これまでも、共和党系の戦略家であるプリンストン大学のアーロン・フリードバーグ教授の『支配への競争』(邦訳、日本評論社)や、シカゴ大学のジョン・ミヤシャイマー教授の『大国政治の悲劇・改定版』(同、五月書房)のように、米中激突の可能性を示唆する書物はあった。

彼らは中国共産党が独裁体制を維持して、経済発展を背景に軍拡を続ければ、ある種の「封じ込め戦略」をせざるを得なくなることを提言していた。

とくにフリードバーグ氏は米国が表向き関与政策をとりながら、裏では同盟国とともに対中封じ込めに軸足を移して軍事的優位を保つべしと述べた。だが後段では、中国の軍事増強のスピードが早く、かつ強硬になっている現状から、もはや関与政策をとる段階ではなくなったと結論づけている。

ピルズベリー氏は彼らのような現実主義(リアリズム学派)の戦略家や地政学者でなく、北京に精通した中国問題専門家である。しかも、中国の秘密情報に接近できる数少ない実務家であるうえ、これまではその言動がきわめて慎重であったことに留意したい。

彼は1969年から国連、CIA、国防総省、米上院特別委員会などに勤務し、中国の対米認識や米国の対中政策の選択肢の提示など地道な調査活動を続けてきた人物である。

国家基本問題研究所は2010年6月、東京で開催した国際シンポジウムにその彼を招き、様々な角度から質問を試みた。だが、ピルズベリー氏は米国内の様々な対中観や見解を紹介することに徹し、最後まで自らのオピニオンを明らかにすることはなかった。

その彼の大胆な対中抑止への警告であるだけに、説得力が強く、浸透度は深い。この本が出版された2月以降、ウォールストリート・ジャーナル紙にとどまらず、米国の対中政策の転換に影響を与えていることをうかがわせる動きが相次いだ。

翌3月には外交問題評議会(CFR)が「中国に対する大戦略の転換」と題する緊急提言を明らかにした。

CFRは権威ある有力研究所であり、これまではむしろ、対中関与政策の擁護者であった。そのCFRが、国防予算の上限を外し、核バランスを維持し、戦略パートナー国と協力を強化し、かつ、中国製品への全面的関税まで実施することを求めた。まっとうな反応である。とくに米中関係はライバル関係になり、中国との力のバランスに重点を移すべきであることを指摘した。

同じ3月、マケイン上院軍事委員長ら超党派議員が包括的な対中政策を求め、カーター国防長官に書簡を送った。

軌を一にして海軍、海兵隊、沿岸警備隊が7年ぶりに21世紀の戦略報告書「海洋戦力のための連携戦略」を発表して、中国の接近阻止、領域拒否(A2/AD)戦略に対抗する姿勢を鮮明にしていた。

しかも、「インド・アジア太平洋」という地域概念を打ち出し、日米豪比韓タイのほかニュージーランドやインドを加えた同盟・友好国ネットワーク構築を唱えた。

内向き傾向のオバマ政権もようやく、中国に対して厳しい路線に切り替えている。

先に触れたシャングリラ対話でカーター国防長官は、中国による人工島の埋め立ての中止を求め、国際法が許容する航行や飛行を続けることを表明した。

実際に5月20日、CNNの取材班を搭乗させて、海軍のP8哨戒機を係争水域に飛ばして、中国の不当性を・宣伝戦・に使ったのは見事であった。

オーストラリアもまた、空軍哨戒機P-3を飛行させることを検討している。豪紙は空軍だけでなく、艦船もフィリピンやベトナムへの寄港という形で例の人工島の十二カイリ内を通過すると伝える。

カーター国防長官はとりわけ、南シナ海沿岸のフィリピン、ベトナム、インドネシア、その他の東南アジアの友邦に5年間で4億2500万ドルの軍事援助を供与する計画を発表している。

マケイン上院議員らはさらに、ベトナムに対する武器売却の拡大を求めるなど、国防長官を後押しする。長官自身も5月31日に訪越し、協力推進の共同宣言に署名し、巡視船購入のために1800万ドルを供与するなど、着々と周囲を固めている。

カーター長官はオバマ政権内では、中国に対してはより強い態度で臨むべしと主張してきた人物である。

今後も、米太平洋軍のハリス司令官とともに南シナ海の中国の動きに対応し、埋め立て島の軍事基地化や防空識別圏の設定をしないよう説得し、場合によっては「リスクをとる用意がある」と述べている。少なくとも国防総省は、中国に対する明確な抑止政策に乗り出している。

経済面にも一言触れれば、ピルズベリー氏は「100年マラソン」の一環として中国が国際通貨基金(IMF)や世界銀行からなるブレトンウッズ体制にまで挑戦していると指摘している。日米が主導権を握るアジア開発銀行(ADB)に対抗して、彼らはアジアインフラ投資銀行(AIIB)を創設した。

しかし、不況下にある中国は、資金の流出が激しく人民銀行の外貨資産が減り始めている。AIIBは習政権の対外戦略に必要な巨額の資金を、国際金融市場でかき集めるために機能しそうだ。

従って、AIIBは資金調達のダミー機関といえ、「アジア」ではなく「中国インフラ投資銀行」と考えるべきだろう。オバマ大統領自身も中国が世界の経済ルールをつくる事態を防ぐためにも、もはや、アジア太平洋経済連携協定(TPP)の意義を隠さなくなった。

■鍵は優柔不断なオバマ・ホワイトハウス

いずれにしろ、対中抑止のカギは「オバマがトルーマンになれるか否か」にある。

国防総省がその抑止戦略を一定程度強化しても、ホワイトハウスの指示がなければ動けない。対外政策で腰の引けるオバマ現大統領が、かつてのトルーマン大統領の対ソ戦略のように対中戦略に不退転の行動を起こすかにかかるのだ。

70年前の米国も第2次大戦に疲れていた。ルーズベルト大統領は2年以内に米軍を欧州から撤兵させる方針であった。

しかし、ルーズベルトはヤルタ会談の2カ月後に死んでおり、後任のトルーマンが大統領に就任するとすぐに冷戦が始まっていた。トルーマンは欧州撤兵をやめて、直ちに対ソ戦略を練り上げたのである。

オバマ大統領はどうか。米欧で活躍してきた著名な戦略家ジョセフ・ヨッフェ氏にいわせると、現在のオバマ政権は「この6年間、何も学んでいない」と嘆いている。

安全保障、自由貿易、航行の自由を阻害する秩序の破壊者を放置し、「挑戦国を封じ込める代わりに、自分自身を封じ込めている」と痛烈に皮肉った。

ヨッフェ氏はいま、「オバマ政権のホワイトハウスがX論文を読んでいるとは思えないのだ」とWSJ紙(5月12日付)で叱りつけている。

オバマ政権が「自分を封じ込めている」とは言い得て妙だが、事態はさらに深刻である。せめて、「対中X論文」としてピルズベリー氏の『100年マラソン』を精査し、超大国の威信と責務を取り戻して欲しい。そうでなければ、米国と世界は、米大統領選後の2017年まで新しい指導者の出現を待たねばならない。

この間に、国際秩序の挑戦者は、彼らの「辺境」に手を出して敵の出方をうかがう。ロシアはクリミア半島を併合してウクライナに手を伸ばし、中国は米国が優柔不断なオバマ政権のうちに、南シナ海の岩礁の埋め立てを完成させようとスピードアップする。

オバマ大統領が「米国は世界の警察官ではない」と発言をしたからだけではない。2014年にオバマ大統領が米誌『ニューヨーカー』1月24日号で、わざわざ「私にはいま、ジョージ・ケナンのような人物を必要としていない」と語って、グローバル戦略を拒否していたからである。

オバマ政権が寛容さを示せば、挑戦国はそれを弱さの証明であると考える。

オバマ政権の「アジア回帰」が口先だけとみるや、中国が南シナ海の7つの岩礁をひそかに埋め立てた事実にそれは表れている。

米国防総省が5月8日に発表した中国の軍事力に関する年次報告書によれば、埋め立て面積は昨年12月以来、4カ月の間に4倍にまで拡大していることが明らかになった。

しかも、驚くべきことにサンゴ礁をダイナマイトで一気に破壊していた。海兵隊普天間飛行場の移設先である辺野古沖の埋め立てにより、サンゴ礁をこすったなどという度を超えている。

しかし、中国の習主席は米国の・本気度・をはかるように、訪中したケリー国務長官に「広い太平洋は二つの大国を収容できる空間がある」と、なおも挑戦的だった。

米政府内でいまが北京との緊張を高める適切な時期かどうかについて論議が続いているという。

南シナ海で中国の要塞化が進んでいる以上、米戦略国際問題研究所(CSIS)の上席副所長、マイケル・グリーン氏は「いま、強い対応を取らなければ、後でより危険な対決になることは間違いない」と断言した。戦争を回避する勢力均衡は、強制的な執行者がいてこそ成り立つものである。

安倍首相はミズーリ州フルトン演説こそ実現しなかったが、6月8日の先進国首脳会議(G7エルマウ・サミット)で中国、ロシアを念頭に「力による現状変更」は認めないことを盛り込ませた意義は大きい。

対外政策に消極的なオバマ大統領の外堀は埋められた。そして安倍首相には、目先のことに引きずられず、世界の大局をみるチャーチルになってほしい。(産経・正論)

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