154 ハンバーグ大好き 渡部亮次郎

秋田から東京へ出てきて美味しかったものの第1は鯵のフライ、2おでん、3ハンバーグである。少年の頃は私はもちろん,先生も食べた事はなかったろう。学校給食では定番らしいが、昭和20年代、日本には学校給食が無かった。
ハンバーグまたはハンバーグステーキとは、挽肉(豚肉や牛肉、またはその他の畜肉等を含めたあわせ挽肉)にタマネギ等の野菜類のみじん切りと胡椒等の香辛料を加え、卵、パン粉を混ぜ、こね合わせたものを楕円形、円形などに整形して焼いた料理。
この料理は、下ごしらえに少々手間が掛かるものの、非常に食べ易い状態になっているため、児童や老人等の、咀嚼力が弱い人でも食べる事が出来、また消化も良い。東京・水戸街道沿い、向島の極小さなレストランにいけば必ず注文する。
大抵は付け合せに温野菜やサラダが用いられ、様々なソース類で味付けが成されている。主に挽肉とみじん切りにした野菜にパン粉を混ぜ、卵を繋ぎとして焼き固めたものであるが、味の濃いスープで煮込んだ「煮込みハンバーグ」というメニューもある。
特に児童に好まれる事もあってファミリーレストランの主力商品であるが、ナイフやフォークといった食器を使わなくても簡単に噛み千切れるので、パンに挟んでハンバーガーにする事もできる。
しかしその反面、ソースの味付け如何では、肉の素材自体の品質によってさほど味が左右されないため、長らくは屑肉と呼ばれる商品価値の低い材料を、食べられるようにする調理法とされる等の(やや不遇な)扱いを受けていた。
このため、ハンバーグはしばしば「質や程度の低い料理」と見なされる事がある。様々な工夫を凝らす余地が随所にあるため、非常に多くのバリエーションが存在する。
日本で1960年代以降の高度経済成長期には、栄養豊富な畜肉が比較的高価な食材であったため、しばしば安価なあわせ挽肉(鶏肉と豚肉等)を使ったこの料理を食卓に上らせる事で、豪華な夕食を演出できる事から、同年代以降の主婦が好んで夕食のメニューに取り入れた背景もあった。
調理済みで後は焼くだけの物が発売されたりして、瞬く間に日本全国に広まった。更には1980年代頃から急速に多様化したレトルト食品のレトルト・ハンバーグ登場で、非常にありふれた料理や食材となった。
レトルト食品のハンバーグでは、1度焼いたハンバーグをそのまま、またはソースと共に封入する事で、湯煎するだけで食卓に出す事ができる。
特にレトルト食品のハンバーグに関しては、調理が簡便である事と、少々の材料面における味の不備も漬け込むソースでフォローできる事、衛生的な生産工場による大量生産によって、非常に安価にできる事により、ファミリーレストランにおいては、主力メニューであると同時に、収益
率の高い商品と成っている事が多い。
なお、レストランによってはレトルト食品のハンバーグでは焼いた際のふっくら感が出し難い部分があるために、焼く前の生のハンバーグを冷凍(または冷蔵)してストックしておき、それを解凍して焼き上げる所もある。今日のハンバーガーチェーン店では、この冷凍ハンバーグが広く使われている。
ハンバーグの起源は、ドイツ、ハンブルクで労働者向けの食事として流行っていたタルタルステーキを焼き固め、ソースをかけて味付けした料理からだといわれている。
なおタルタルステーキは、13世紀頃にヨーロッパにまで攻め込んでいたモンゴロイド系民族のタタール人が食べた生肉料理を原型としている。
大航海時代、船内で備蓄されていた非常に硬い干し肉を乾燥前の状態に負けないくらい柔らかく美味しく調理する為に生み出された調理方法(ハンブルグ港を主な寄港先としていた船舶で最も盛んだった)が発祥という説もある。
アメリカ合衆国では世界大戦中など牛肉のステーキは贅沢なのでハンバーグにかえるという運動もあったという。後にハンバーグのパテをパンズではさんだハンバーガーが大人気となりマクドナルドなどファストフードの大企業となった。
日本では縄文時代において、野鳥の卵とドングリなどの木の実、場合によっては鹿やイノシシ等の獣肉を混ぜた縄文クッキーと呼ばれる食品(の炭化物)が発見されており、獣肉が入った物は比較的「ハンバーグに似た」食品だと言う説もある。
また、ハンバーグの素材として、豚肉や牛肉以外に、他の食材を使う場合もある。たとえば鶏肉を使うなどである。さらに、肉類を使わない、魚肉系の肉を使うもの、豆腐をベースにしたものなどもある。
刻んで入れる野菜に関しては、タマネギが最も多く用いられるが、ニンジンが入る事もあり、こちらはニンジンが苦手な児童でも喜んで食べる事ができるというもので、他にも児童が苦手とする野菜類の入った物もある。
またシイタケを少量刻んで入れる事で風味が増す事が知られている他、半分に切って種を取り除いたピーマンに、焼く前のハンバーグの材料を詰め込む事で、肉詰めピーマンが作られる。
ハンバーグを別の料理に取り込む事で、その料理をより豪華にする事も可能である。ハンバーグカレーはその最たる物である。家庭で作るハンバーグ家庭でハンバーグを作る際、幾つかの点で工夫すると、更に味が引き立つ。
加熱大きなハンバーグを作る際、なかなか中心まで火が通らず、ひっくり返そうとして崩れてしまう事がある。
この場合、焼く前に皿に置いてラップを掛け、電子レンジで肉汁が滲み出すまで加熱して、その後に焼くと、ぶ厚い物も綺麗に焼け、中まで良く火がとおった物に仕上がる。
電子レンジ加熱中に出た肉汁は肉の旨みを含んでいるので、ソースに利用する。食中毒予防O157など食中毒を予防するために、厚みを薄くするなどで中心部が75℃であれば1分など充分加熱する対策が必要である。
向島のなじみのレストランで毎週のように食べるのはハンバーグ&ライスである。焼酎でやや酔い始めた頃、親父の作ったハンバーグをお上さんが持ってきてくれる。丸い器で焼いた卵焼きの載っているのは愛嬌だ。
なぜかその都度、醤油を頼んでかけて焼酎の肴にして呑む。然る後にメシが来て終わりになる。メシは半分しか頼まない。[参照:ウィキペディア]2006・08・31

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