399 違い際立つ小沢民主党と志位共産党 古沢襄

通常国会は冒頭から荒れ模様だが、意外と知られていないのは、口火を切ったのが三日付けの「しんぶん赤旗」。自民、民主両党議員の事務所費問題を一面トップで取り上げた。お屠蘇気分でいたマスコミ各社は、政治資金収支報告書の調べ直しに追われた。
そこに降ってわいた様な柳沢厚生労働相の女性を”産む機械”といった不適切発言。攻め手の野党にとって格好の攻撃材料ができてしまった。柳沢厚生労働相の罷免要求だけでなく安倍首相の任命責任を問う構えだ。
小沢民主党は柳沢厚生労働相が辞任しなければ補正予算審議に応じないとコブシを振り上げる。参院選を控えて戦う民主党をアッピールするチャンス到来というわけだ。一方で志位共産党は国会審議を通じて安倍内閣をジワジワと攻める作戦。審議拒否戦術はとらない方針。
ここにきて同じ野党でも小沢民主党と志位共産党の違いが際立っている。私は志位共産党の方が正攻法だと思うのだが、強引な小沢民主党の戦術を好む向きもあるかもしれない。どちらが無党派の支持を受けるか、参院選の結果が見物だと思う。
だが旧社会党のような審議拒否戦術は小沢民主党にとってプラスにはなるまい。志位共産党が国会審議の中で「しんぶん赤旗」のスクープに次ぐ第二、第三の爆弾質問を投じたら置いてきぼりをくうことになりかねない。みすみす志位共産党に点数を稼がせることになってしまう。やはり国会審議の場でほころびが見え始めた安倍内閣を追い詰めるべきではないか。
自民、公明両党は民主党、社民党、国民新党が補正予算審議に応じなくても共産党が審議に加われば”粛々と審議”を行うというのではないか。共産党が救いの神と早合点していたら爆弾質問を投げられたでは様(さま)にならない。
視界不良となった雲の中で計器飛行をする安倍飛行艇が雲間から着地点を発見できるのか、今週から来週にかけての国会の動きから目を離せなくなったことだけは確かである。

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