今回の自民党総裁選劇を麻生氏か他の候補か、という観点だけでみていると間違う。同様に来るべき総選挙を自民党か民主党か、という観点だけみているのは極めて皮相的過ぎる。自民党にも民主党にも内部に新しい胎動を内蔵している。
福田首相は自民党と民主党の大連立という模索をして失敗した。しかし大連立は安定した政治構造の一手法であることには間違いない。この時に小泉元首相は自民党の一部と民主党の一部による新しい再編勢力の構築を模索している。
小泉流の発想からすれば、自民党の総裁選は「麻生VS小池」が分かり安い。麻生氏が勝っても、小池氏を核とした再編勢力を温存できるからである。しかし麻生氏の対抗馬は与謝野、石原、石破氏らが次々と名乗りをあげて、総裁選として華々しいが対立軸が分散してしまった。小泉さんにとっては計算違いだったろう。
華々しい総裁選劇で民主党の陰が薄れる効果があったが、仮にこの効果のお陰で総選挙で自民党が勝っても、参院における野党優位の構図は変わらない。総選挙で敗北した民主党の中で分裂騒ぎが起こり、参院民主党が割れるのを自民党は期待するかもしれないが、そうはうまくいくまい。
むしろ衆院で与党が三分の二議席を占めている現状より政権与党は弱体化する・・・と小泉さんは考えている。国政は停滞し、国民の政治に対する不満は鬱積するであろう。野党の小沢代表は政権奪取のために手段を選ばない。
この政治状況を突破するには、政界再編による新しい政治勢力の結集しかないというのが小泉流の考え方である。そう見ると小泉さんの小池氏支持も政界再編劇の一幕でしかない。かなり先のことを考えている・・・。
<小泉純一郎元首相が12日、自民党総裁選で立候補している小池百合子元防衛相の支持を示したのは、麻生太郎幹事長が優位に進める選挙戦に一石を投じるとともに、衆院選前後の政界再編を視野に入れ小池氏支持勢力の拡大を狙ったものとみられる。小池氏支援の中川秀直元幹事長が党内で孤立するのを防ぐ狙いもありそうだ。
総裁選で、中川氏や武部勤元幹事長らは小泉氏に小池氏の支援を再三要請してきた。小泉氏は明確な態度表明をしてこなかったが、12日午前、東京都内で武部氏らと会談した際「小池総裁なら小沢民主党といい勝負ができる」と語り、小池氏支持を鮮明にした。
小泉氏は「(自民党は)大変な危機なのに、危機感がまだ足りない」とも指摘し、「派閥談合」の様相も見える総裁選に強い懸念を示した。小池選対の会議で、中川氏は「さすが小泉さんだと改めて尊敬の念を深くした」と興奮気味に語り、小池氏も記者団に「とても心強い」と述べた。
麻生氏を推す森喜朗元首相はこれまで、小泉氏が小池氏支援に回ると警戒する議員に「大丈夫だ。小泉氏は動かない」との見通しを示していたが、12日は周辺に「知らん。(支持)するならすればいいじゃないか」とぶぜんとした表情で語ったという。
小泉氏は首相時代の05年9月、当時の前原誠司・民主党代表に「大連立」を呼びかけたこともあり、民主党の若手改革派と気脈を通じている。今回の総裁選の敗者を軸に民主党を巻き込んだ政界再編が起こり得るとの状況認識が小泉発言の背後にありそうだ。(毎日)>
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2278 政界再編にらんだ小泉さんの小池支持 古沢襄
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