<<北朝鮮に緊張の時が訪れた。3月9日は米韓軍事演習チームスピリットの再幕開けだった。圧倒的な韓国軍七万と五万の米軍部隊が参加することになっていた。米軍は海外から一万九〇〇〇の部隊が上陸し、沿岸では空母インデペンデンスが展開する。
演習の前日、軍最高司令官になって1年ほどたつ金正日は命令を発表した。金正日はチームスピリットが「国の北半分に対する奇襲、先制攻撃を狙った核戦争の実験だ」との観点に立ち、全国民と全軍に対して「戦争準備態勢に入るよう」命じた。
攻撃が差し迫っていると言われた軍幹部は、地下要塞に待避するよう指示された。軍人の休暇はすべて中止となり、軍隊にはライフルの弾薬が配られた。(ドン・オ-バードーファー「THE TWO KOREAS」)1993年3月の朝鮮半島危機の生々しいドキュメントである。>>
ソウル共同は「韓国の海軍哨戒艦が北朝鮮製魚雷で沈没したとの調査結果を受け、韓国の李明博大統領は21日午前、緊急の国家安全保障会議を招集、李大統領は北朝鮮の行為が「軍事的挑発行為だ」と非難した。
韓国大統領府が明らかにした。複数の米韓外交筋は21日、米韓両軍が6月にも朝鮮半島有事を想定した合同軍事演習を計画していることを明らかにした」・・・と伝えたが、米韓軍事演習チームスピリットが6月に行われることに対して、北朝鮮が16年ぶりに臨戦態勢に入るのは目にみえている。
1993年末から1994年初めにかけて在韓米軍司令部は本格的な戦闘を想定して準備に入っている。「作戦計画50-27」で、平壌制圧と北朝鮮政権の転覆が認められている。釜山に最初のパトリオット・ミサイルが輸送されたのは4月中旬、旧式のコブラに代えてアパッチ攻撃ヘリコプター大隊が投入されている。
5月19日、ペリー国防長官らがクリントン大統領に対して公式報告を行った。朝鮮半島で戦争が勃発すれば、最初の90日間で米軍の死傷者五万二〇〇〇、韓国軍の死傷者四十九万、財政支出が六百十億ドルというものであった。
日本はどうだったのであろうか?「THE TWO KOREAS」は次のような事実を暴露している。
①日本の政治システムはとりわけ不安定で、弱体化していた。
②危機発生当時、長期支配を続けていた自民党が分裂して政権の座を離れ、羽田首相の八党連立内閣は崩壊の寸前であった。
③社会党は歴史的にも北朝鮮と近い関係にあり、北朝鮮制裁に抵抗していた。
結局は朝鮮半島の危機的状態について日本はつんぼ桟敷に置かれた。社会党を通じて軍事情報が朝鮮総連に流れることを、米韓両国が警戒したのである。
歴史は繰り返すというが、「THE TWO KOREAS」のドキュメントとまったく同じ光景が、日本政府の知らないところで静かに進められている。
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5618 朝鮮半島の歴史は繰り返している 古沢襄
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