6951 立ち上がらなかったたちあがれ日本 花岡信昭

たちあがれ日本は議員総会で菅政権との連立拒否を決めた。共同代表を務める与謝野馨氏以外に賛成者がいなかったためという。
まあ、そういう経緯になることは分かる。平沼赳夫代表は「保守再生」のために新しい党を立ち上げたわけで、菅政権をここで助けるというのはスジに合わない。
それに、国家観がそもそも菅首相とはまったく違う。硫黄島に出かけて遺骨収集のまねごとをやった菅首相だが、靖国神社には冷たい態度であるし、だいたいが「左派」出身の国会議員だ。
そういったことはすべてよく分かるのだが、たちあがれ日本がここで一歩踏み出していたら、政治転換の起爆剤になった可能性もあった。そう考えると、そういってはなんだが残念でもある。
政治が大きく転換するときには、思想信条や理念、基本政策などをポーンと飛び越えるダイナミズムがときに必要になる。
いってみれば小異を捨てて大同につく、ということだ。菅首相の国家観、描くべき国家像とはまったく相いれないものであることは事実だろうが、やはりその壁を乗り越えられなかったか。
それでは、たちあがれ日本に菅政権の総辞職や解散総選挙に追い込む政治的パワーがあるのかというと、これまたおぼつかない。衆参6人のミニ政党である。その力を最大限に発揮するには絶好のチャンスだったようにも思える。
それにしても、急浮上した一連の経緯から、菅―仙谷ラインが政治的立場を超えてほかの党との連立を望んでいるということは非常によく分かった。
菅―仙谷ラインには「大連立」への覚悟がどの程度あるのかが当面の焦点だ。展開によっては、首相の座を明け渡すぐらいの構えで臨もうとしているのか。それとも、民主党政権の当面の延命策程度の認識なのか。
現状を踏まえると、「大同」になり得るテーマは消費税と社会保障政策だろう。消費税のアップで財政基盤を固め、年金を中心とする福祉政策の立て直しをはかる。そのことによって、国民の将来不安を払拭させ、国家再生の難事業に臨む。
このままの政治展開だと、菅首相は総辞職も解散もやらないだろう。衆院で圧倒的な多数を占めているのだから、解散に踏み切るわけがない。
では野党側はどこまでこの政権を追い込めるのか。臨時国会の攻防戦を振り返っても、どうにも中途半端だった。補正予算をなんともあっけなく成立させてしまった。
政権を追い込むには、予算案で窮地に立たせるのが一番の策だ。通常国会の最大の焦点がそこにある。予算審議を徹底的に混乱させて、予算成立を条件に解散させるという「話し合い解散」だ。
自民党をはじめとする野党にその気概がないのならば、この政権はずるずると延命することになる。一方で「大連立」にも踏み切れない。
この国を再生させるには、リアリズムで考えた場合、どういうシナリオが望ましいのか。与野党ともこの年末年始は知恵の絞り合いをやってはどうか。
たちあがれ日本の連立参画問題は、そのスタート台として受け止めたい。
杜父魚文庫

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