自民党最大派閥の町村派が混乱している。同派の森元首相、町村前官房長官は反麻生の中川元幹事長の動きは押さえ込めると自信を示していた。事実、中川氏の倒閣運動に賛意を示す派内の数は少数派にとどまっている。
だが、そこは知恵者の中川氏のことである。倒閣運動を表面には出さずに、都議選大敗を総括せずに総選挙に臨むことは出来ないと、衆参両院議員総会の開催を求める一点に絞って、党内の署名を募る作戦をとった。代理署名を含めて開催に必要な署名を集めた。
倒閣の意志はないが、両院議員総会の必要を認める議員は町村派にもかなりいる。両院議員総会さえ開かれれば、中川氏ら反麻生グループは、その場で麻生首相の退陣要求を突きつけることが可能となる。署名は開催要求に必要な三分の一議員を越える数を集めた。
だが、同派から出ている細田幹事長は両院議員総会を開くつもりはない。開けば両院議員総会は麻生退陣を求める中川氏らの批判の場と化し、首相批判が相次ぐと、党のイメージダウンにつながると判断している。
開催要求の署名簿について党執行部は各議員の意思を確認し、若林正俊両院議員総会長は「(総会開催に必要な128人を)割るかもしれない」と述べた。名簿に名前を連ねた津島派の佐田玄一郎元行政改革担当相や三原朝彦衆院議員は、署名を取り下げる意向を示している。
両院議員総会は開かないが、その代わりに非公式な議員懇談会を21日に開くことで党執行部は党内調整に入っている。その議員懇談会で麻生首相は、都議選など一連の地方選挙の敗北を総括し、総選挙に向けて党内が一致協力し、全力を挙げるよう呼び掛けることになった。
強気の麻生首相は21日午前に自民党所属国会議員による議員懇談会を開き、東京都議選など地方選での敗北を総括した上で、衆院選に臨む自らの方針を表明、そまま午後に「8月30日投開票」の日程で衆院選を断行する閣議に臨む。
この方策が失敗すれば、細田幹事長ら執行部は責任をとって辞任せざるを得なくなるだけでなく、麻生首相の退陣につながりかねない。
<最大派閥の町村派は麻生首相支持の中核をなすにもかかわらず、「反麻生」の旗を振る中川秀直・元幹事長を抑え込めずにいる。
中堅・若手議員には首相への不満も強く、同派の重鎮として首相を支えてきた森元首相も、難しい立場に置かれている。
「何らかの会合を開いた方がいい」
町村派会長の町村信孝・前官房長官は16日夕、首相に電話をかけ、党内で強まる両院議員総会の開催要求に対し、どんな形であれ応えた方がいいと助言した。首相は「細田幹事長と相談する」と答えた。
細田幹事長は町村派を代表する形で執行部に入っており、森、町村両氏ら同派幹部には、「町村派が麻生政権を支えている」という自負が強い。首相も森氏らを頼りにしている節がうかがえる。
ところが、この日、町村派89人のうち30人が、首相攻撃の場になりかねない両院議員総会の開催を求め、署名していることが明らかになった。中川氏に近いとされる杉浦正健・元法相、衛藤征士郎・元防衛長官や中堅・若手が名を連ねていた。
実際には、こうした議員の多くは、反麻生で先鋭化する中川氏に「行き過ぎている」と違和感を覚えている。ただ、「首相が地方選敗北の責任を認め、総括しないと衆院選に臨めない」という思いは強い。
森、町村両氏もこうした事情を踏まえ、総会開催を求める派内の意見にきっぱりと「ノー」とは言えずにいる。「無理に要求を封じ込めると、孤立しがちだった中川氏に同調し、中川氏が求心力を回復しかねない」という懸念もあるようだ。
森氏は、青木幹雄・前参院議員会長ら各派閥の領袖クラスとパイプが太く、麻生首相の後見人とも目されている。その森氏も、最近の発言は歯切れが悪くなっている。
森氏は16日朝のTBS番組で、衆目の一致するポスト麻生が見当たらないことなどを理由に、麻生首相支持を改めて明言した。ただ、首相退陣を念頭に置いた総裁選前倒しの動きについて、「みんなの意見(次第)だ。総意であれば否定しない」と語り、両院議員総会の開催にも理解を示した。こうした発言は党内に、「森氏は、微妙に首相から距離を取り始めたのではないか」という憶測を呼んでいる。(読売)>
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3658 麻生首相は議員懇談会で乗り切る方針 古沢襄
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