19440 欧州で、ギリシアほど「始末に負えぬ国」はないか?   宮崎正広

■債務危機で、おもわぬ経済的災禍が周辺国に及んでいる

デフォルトの常習犯ギリシアは、戦後だけでも七回デフォルトをやらかしている。こんど、またデフォルトをやらかしても、失うものがないから懼れをしらない。

だから開き直れるのだ。

7月5日の国民投票という奇策にでたギリシア左翼政権は、「緊縮財政」にNOという回答を示したが、翌日緊急協議した独仏首脳は「ギリシア政府はもっと真剣に代案をだせ」という結論でアテネに圧力をかけた。要するに「もっと、まじめにやれ」ということである。

返済期限のきたギリシアの債務はIMFに17億ユーロ、ECB(欧州中郷銀行)に35億ユーロ、すでにS&P(スタンダード・プアーズ)はギリシア国債の格付けをCCCとした。cccは紙くず同然で投資不的確という判断である。

それでも最大債権国のドイツ、次なるフランスは、オバマ大統領の説得もあって救済措置に踏み切るだろうと予測されている。

欧州メディアの漫画には「ギリシア人が机のうえに二つの紙切れを列べ『緊縮財政の受け入れ』には大型ナイフ、『ユーロからの離脱』にはピストル」を配置し、いずれにしても救いがない状況を示唆した。

しかしなぜギリシアが当面、ユーロに残留せざるを得ないのか?

ヨーロッパ人の意図的な勘違いは、その歴史の古さを意図的に誇示したいがために、古代ギリシア、ローマを歴史の深淵となし、ギリシア人が祖先という「神話」と造った。

実際にアテナイにつどった賢人らのギリシアはソクラテス、アリストテレスらの哲人をうんだが、現在のギリシア人とは人種がことなる。いまのギリシア人の主流はスラブ系である。

米国でもギリシア系は嫌われ、デュカキスは大統領選で惨敗だった。世界的なビジネスマンの間にでも、ギリシア人はユダヤ人、アルメニア人、中国人らと同列に嫌われ者だという。

ギリシアは観光立国とはいえツーリストの評判が悪いのは置き引き、ニセ警官、インチキ両替、雲助タクシー・・・

だが商売がこすっからいのは、華僑より、印僑であり、それよりずるいのは通称「レバシリ」といって、フェニキアの末裔であるシリア、レバノン系の商人らである。

 ▲とばっちりは日本にも株安をもたらしたが。

さて、そのギリシアの債務危機で、庶民の財布でもあるATMは使えず、銀行は業務停止、一部のクレジットカードさえ使えず、ユーロは下落気味となり、ここぞとばかりロシアと中国が「救援」に向かっている。

ところが、中ロ両国の展開しているのはリップサービス外交でしかなく、実質を伴っていないのだ。

中国は援助を約束するだけで、具体的にはなにもしていない。ロシアは新しいガスパイプラインをトルコ経由、ギリシア拠点として、欧米向け新ルートを開設すると威勢が良いが、かりに実現するとしても、十年後の話だ。

トバッチリは日本にも株安をもたらし、6日は400円超もの下落(7日は256円高)だったが、とくに周辺国、就中、ギリシアに「出稼ぎ労働者」を二十万人も送り込んでいるグルジア(ジョージア)である。

一日にATMから降ろせる預金は上限が60ユーロ。このため、出稼ぎからの仕送り業務が停滞してしまった。

ギリシアから毎月グルジアへ向かう送金額は1330万ドル(グルジアの出稼ぎのトップはロシア)、ロシアからも、景気低迷で出稼ぎグルジア人からの送金が途絶えがちとなり、グルジア経済もまた悲鳴を挙げるに到った。

「外国へ出稼ぎにでたグルジア人からの送金は2015年5月のグルジア中央銀行統計で9100万ドル」(『ジャージア・トディ』、2015年7月3日号)。

 
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コメント

  1. akio iwata より:

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