19845 「メイド・イン・ジャーマニー」の危機   古沢襄

■ドイツの輸出の18%が自動車

フォルクスワーゲン問題の性格が変わっている。一自動車メーカーの排出ガス不正にとどまらない。「いまや『メイド・イン・ジャーマニー』の信頼の危機に拡大している」。

ドイツ経済研究所(DIW)のマルセル・フラッシャー代表が22日に米経済メディアのザ・ストリートとのインタビューでした話だ。

フラッシャー所長は「ドイツの製造業は『信頼』と『完璧さ』を誇る。こうしたドイツの製造業でフォルクスワーゲンは品質の代名詞」と話した。そんなフォルクスワーゲンが排出ガス不正を行ったことが明らかになった。

フォルクスワーゲングループのウィンターコーン会長は結局辞任した。フォルクスワーゲンは23日にドイツ・ベルリンで緊急理事会後に記者会見を行い、ウィンターコーン会長の辞任を発表した。

ウィンターコーン会長は声明を通じ、「最高経営責任者(CEO)としてディーゼルエンジンの不正問題に対する責任を認める」としながらも、「個人的には不正事実を認知できなかった」と抗弁した。

ドイツの経済界は緊張している。

フォルクスワーゲン問題がドイツ独特の経済構造のために経済全般に広がりかねないためだ。ドイツは他の先進国と違い国内総生産(GDP)の中で輸出が占める割合が大きい。ほぼ50%に達する。技術力と信頼を基にした輸出が成長の主力エンジンだ。

その上ドイツの主力輸出品が自動車だ。ドイツ連邦経済省によると昨年の輸出は1兆2200億ドル程度だった。このうち自動車輸出は17.9%の2190億ドルに達する。

都市銀行であるドイツ銀行は「ドイツの雇用5件中1件が自動車産業と関連がある」とした。ドイツの政官界がフォルクスワーゲン問題に機敏になるほかない理由だ。

メルケル首相は「(フォルクスワーゲンは)透明に事態の真相を明らかにし、すべての問題を解決するのがカギ」と話した。問題がドイツ経済全体に広がる前にフォルクスワーゲンが積極的に解決するようにとのメッセージだ。

フォルクスワーゲンはひとまず足下の火を消すのに乗り出した。「73億ドルを罰金などに投じる」と発表した。また「50万台余りをリコールする」ともした。だが、排出ガス不正と関連した車両は1100万台に達するとされる。ウォール街の専門家らは各種罰金と課徴金などは180億~200億ドルに達すると予想した。

ブルームバーグは「米国のドライバーがフォルクスワーゲンを相手取り集団訴訟を始めた」と伝えた。米政府の罰金より恐ろしいというのが集団訴訟だ。ブルームバーグは「フォルクスワーゲンが罰金と集団訴訟賠償金のため今後数年間は純利益を出せなくなる恐れもあるというのがウォール街の判断」と伝えた。

今回の問題でディーゼルエンジンも打撃を受ける見通しだ。ディーゼルエンジンはこれまで急速な成長を見せた。英フィナンシャルタイムズは、「フォルクスワーゲン問題のためディーゼル車両に対する規制強化と費用増加が予想される」と伝えた。

ディーゼルエンジン萎縮が欧州自動車の萎縮につながるのは明らかだ。昨年欧州で販売された自動車のうち半分以上がディーゼル車だったためだ。

主要自動車メーカーの順位が変わることも避けられない見通しだ。昨年販売台数基準で世界1位は日本のトヨタで1023万台。フォルクスワーゲングループは1014万台で2位、その後をゼネラルモーターズ(GM)が992万台、ルノー・日産が850万台、現代・起亜自動車が801万台となっている。

このうちディーゼル車の販売割合が大きいフォルクスワーゲンとルノーは直撃弾を避けられなくなった。

韓国の輸入車市場も変化は避けられない。韓国で今年に入り先月末まで売れた輸入車は15万8739台でこのうち69%の10万9502台がディーゼル車だった。国籍別ではドイツ製輸入車が全体の69.2%の10万9887台を占めた。(韓国・中央日報)

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