加瀬英明

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2362 政治を興行にしてはならない 加瀬英明

福田首相が唐突に内閣を投げ出した。そうすることによって、日本の国際信用を深く傷つけた。私は前任者だった安倍総理が体調を崩したという理由だけで、国民から任せられた重責をほうり投げだした時にも、私が知っていた日本はこうではなかったと思って慨嘆し...
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2335 煙草を掌で消した政治家 加瀬英明

昭和32(1957)年のある日、私は園田直(すなお)代議士と一緒に、ニューヨークのウォルドーフ・アストリア・ホテルのエレベーターに乗っていた。引退したマッカーサー元帥に会いに行くためである。後に福田赳夫内閣、大平内閣、鈴木内閣で外務大臣を務...
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2236 生きる心と人生 加瀬英明

高齢化社会という言葉を聞かない日がないほど、男女ともに平均寿命が大きく伸びるようになった。 ついこのあいだまで「人生五十年」といわれたが、渋谷駅前に建っている銅像の忠犬ハチ公の主人が死んだ大正十四(一九二五)年では、日本の男性の平均寿命は四...
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2148 主要国転落を予感させる日欧の「未来予想図」加瀬英明

七月の洞爺湖G8サミットが終わった。祭の大きなテントを張ったサーカスだった。中国の龍も、インド象も、南アフリカからアフリカ象もきた。二十二ヶ国が集まった。税金の壮大な浪費だった。G8サミットを催して、マスコミがこれほど沸き立つのは、日本だけ...
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2138 食生活を歪めるな 加瀬英明

コンビニや、スーパーを覗くと、私たちが子供のころには知らなかった、異次元の世界が広がっている。棚や冷凍ケースに、おびただしい種類にのぼる食品が並んでいる。まるで魔法の館にさ迷い込んだようだが、私たちは野菜や魚や肉や加工食品が、ラベルに記され...
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2087 日本は亡びようとしている 加瀬英明

夏目漱石の小説に、『三四郎』がある。三四郎は九州の青年で、東京帝国大学の受験に合格して、上京するところから始まっている。車中に途中から、水蜜桃を好む中年男があたふたと乗り込んできて、三四郎の前に座る。三四郎と言葉を交して、三四郎が「日本は日...
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2024 己を抑えた振舞いが美しい 加瀬英明

大相撲の東京場所の千秋楽で、朝青龍関が白鵬関を倒したあとで、両手で強く押した。すると、白鵬が憤って、立ちあがりながら肘で朝青龍の胸を突き、両横綱が形相を変えて睨みあうという、プロレス凝いの場面があった。やはり、モンゴルと日本文化は違うのだ。...
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2010 誇るべき日本文化の美意識 加瀬英明

このところ日本料理からアニメまで、日本文化が世界に大きな影響をおよぼしている。私は海外に出るたびに、洋食が苦手だった。オードブルとスープのあとに、魚の大きな一切れ、またまた肉の塊が乗った皿が続く。それを不(ぶ)様(ざま)な工具のようなナイフ...
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1998 テレビが国民を蝕んでいる 加瀬英明

たまにしかテレビを見ないが、腹が立つのは、間断なくけたたましい笑い声が流れてくるのと、食べ物番組が多いことだ。 ニ六時中、落語か、漫才の寄席に身を置いているようだ。人は息抜きのために笑うべきであって、朝から晩まで笑っているのでは、腰が抜けて...
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1973 誇るべき日本人らしさ 加瀬英明

新年に、後輩の見合いをとりもった。大任を終えて安堵しながら、ホテルの回廊を歩いていたら、日本人にとって日常性から縁遠いインテリアがひろがっていたので、ふと外国にいるような錯覚にとらわれた。まるで、翻訳劇の舞台装置のようだった。私は『福翁自伝...